なっがい夢

□手懐けるにはまず餌付け
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囚われて四日目。ホルマジオとリゾットはまだ帰ってこないらしい。


『うう〜ん……まだかなぁ……』


まだ、というのはリゾットとホルマジオの事ではない。午前11時。朝食もとっていない名無しさんは腹を空かせていた。
昨日は朝も昼も時間通りに食事が運ばれてきたのに、今日は一体どうしたんだ。いや、食事以前に、出入り自由な所に人を探してみたが、人が誰も居ないのだ。もしや、早々にポンコツプレゼンターということがバレたのでは?ご飯をもう貰えないのでは?お金は持っていない。ご飯を貰えないのでは非常に困る。


『ど、どうしよう……』

名無しさんがプルプル戦慄し出すと、コンコン、とリビングのドアをノックする音がした。

ハッ、として、涙目でドアを開けると、黒髪のお下げが、お盆に乗ったスパゲッティとサラダを両手に、具合悪そうに突っ立っていた。



『……イルーゾォ?』


「…………はい。」


『……………………』

「……………………」


『…………それ、私のご飯すか……?』

「……………………そう……だと思います……」

『思います?!…………まぁ何、あの、狭いところですが、良かったらどうぞ……』

「…………あぁ…いや……じゃあ……お邪魔します…………」
人の飯の心配してる場合じゃないだろうと言いたくなる出で立ちのイルーゾォが、名無しさんに促されるままリビングに入り、テーブルの上にコトリとお盆を置くと、座るでもなくおろおろとしている。


『あ、そこ、向かいのソファ、座りませんか。みんななんか知らないけどそこに座りますんで。』

「……あぁ。じゃあそうします」


再び名無しさんに促されるままイルーゾォは向かいのソファに小さく座った。未だ周囲を伺うような目線はやめない。

名無しさんは、あぁ、これは静かな昼食になりそうだ、と思った。
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