なっがい夢
□ぎぶみーお醤油
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リーダーから外出許可の権利をもらって、数日が経った。
『あのーぅ……リゾットさん?いい天気ですね?こんな日は……』
「……そうか?曇っているが……」
『アハハ……そうっすよね……なんでもないです……』
貰った権利を行使できずにいた。いや、流石に息が詰まるので、ペッシの護衛付きで家の周りをぐるぅーっと散歩したりもしたが。他の面子に比べて人一倍忙しそうで、口数少ないリゾットに、『お出かけしたいでーす!』なんて、なんとなく言い出しづらいのだ。
しかし、今回ばかりはなかなか諦められなかった。
(お醤油がほしいッス!!)
ピッツァとパスタとパニーニにはもううんざりだ!!!
名無しさんが来てから、このメニューのローテーションだ。たまにイルーゾォが作ってくれるリゾットすらトマト味だ。
もちろんパスタもピッツァも好物だが、どうやら日本人の胃袋は、これらを毎日受け付けられるようにはできていないようだ。
(あわよくばジャポニカ米も!!)
食欲とは、はるか昔から原動力となり人を突き動かしてきた。名無しさんも例外ではない。