shortstory

□東京ジャングルで…
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目が覚めたそこには…


「な、なにこのすたびれた都会…」



野生化した東京だった。









「えーなにこれなにここ?調すたびれてるー」


とりあえず回りを見渡してみる。


といっても、どこか都会っぽいところに、木々が無理矢理生えてきて、まるで人間がいなくなって手入れすることがなくなったらこうなるのかも…といった感じだ。

そして、なんだか自分の視点が低い…ような気がする。

地面、近くね?

と思って地面をみると、そこには小型犬のような前足がある。



「…まさか」



嫌な予感がする。



とりあえず近くに水溜まりがあったので、自分を映してみると


「…う、うそ、だろ?」


ふわふわした茶色の体毛。

つぶらな瞳。

小さな体躯。



小型犬代表、ポメラニアンの姿がそこにはあった。

つまり、##NAME1##はポメラニアンになってしまっている。
そしてそれをみた##NAME1##はあまりの事態にガクガクブルブルと体を震わせると、大きなその瞳に涙をいっぱいためて叫んだ。





「チワワがよかったーーー!!!」








…そこ?








「私きっと死んだんだ!そしてポメラニアンに生まれ変わっちゃぅたんだきっと!」




完全にテンパッてしまっている…。
するとそんな##NAME1##の目の前をなにかが歩いていった。



灰色の体。長い耳、これまたつぶらな瞳…。


ウサギだ。


「あ、うさちゃんだ…」


ウサギは特に警戒するわけでもなく、普通に歩いていく。
初めはかわいいなぁと思って見ていた##NAME1##だったが、その胸中には別の思いも生まれつつあった。



「…美味しそう」ジュルリ


食欲。



生物の三大欲求のひとつ。

まぁ海外ではウサギは食用だし、食べられないことはないだろうが、ふだん私達…それこそ人間が食べる肉なんてのは血をぬいて切り身にされたものである。

果たして食えるのか?

でも、ほんとに生まれ変わったのであれば逆に食べなければ生きていけない。

つまり食べれる食べれないという問題ではない。


『食う』しかないのだ。



…という脳内結論は簡単に出るが、それを実行に移せるかと言われたら無理である。

所詮##NAME1##の脳内ではウサギはペットであって食用にはなれない。


とりもあえず空腹を水溜まりの水でごまかし、ちがうものを探しに出掛けた
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