金国♀シリーズ

□Vol.6
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なんか最近の俺はすごくツイてる…ような気がしている。

部活では入部してすぐにレギュラーのポジションをもらえて、練習試合にも出させてもらえた。

そして何より、片想い続行中の国見と高校に上がってから格段に会話量が増えた、ってのが最高に嬉しい。最近はなんと国見から朝練後に声をかけてくれることもあって、その日は一日、何でもできそうな力が沸いてくるんだよなぁ。

会話だけではない。この前の臨海学校でも国見をおんぶしたり、ケガしたのを手当てしてもらったり…クラスが違うのになんだかんだ一緒にいる場面があったのを神様に感謝したい。おんぶした時に背中に感じた大切な人の重みが、やわらかさが、さらりと揺れた髪から漂うほのかなシャンプーの香りが…未だに忘れられないでいたりする。

…今の脳内を透視されたら、きっと気持ち悪がられるだろうな。いや、一回フラれてるんだしさほど評価は変わらないか。

教室と体育館で一日の大半を過ごす日々。臨海学校の少し前にあったインハイ予選では惜しくも優勝を逃してしまったけど、3年生は春高まで残るって言ってるから相変わらず一緒に汗を流している。目指すは夏にある代表決定戦で頂点に輝くこと。

そしてこの前やっと中間考査を終えたばかりなのに、気づいたら数週間後には期末試験。入学したてで範囲が広くなく易しい問題が多いのがせめてもの救いだ。赤点は絶対に避けなければ。部活停止になることが一番怖い。先輩たちと過ごせる時間が減ってしまうのだから。

廊下に張り出された試験日程と時間割を写して、勉強配分を考えた。来週、試験前に部活のみんなで勉強会をやるそうなので、各教科を得意な同級生や先輩に教えてもらうことになっている。俺は…他人に教えてあげられるような教科は残念ながらない。でも最低限、足を引っ張らないよう試験を頑張ればいい。恩返しは試合でするんだ。
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