twitterであげていたおはなし。2

□金田一少年の初デート奮闘記(前編)
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〜国見side〜

部活のため体育館に行く途中、めずらしく金田一が駆け寄ってきた。
いつもは一緒に行くなんてこと、ないのに。
隣に並んだらkk…ごほん。金田一はなんだか焦りながら声をかけてきた。

「なぁ、お前さ、デート…したことある?」
「は?なんで今そんなこと…」

そう言いつつピンときた。
こういう勘は悪くない方だって自負してる。
ちょっと前にこいつ、彼女できたって言ってたな。
おそらく初彼女、初デートなんだろう。

「…何、デートのお悩み相談?」
「うっ。お前なんでいつもそんなに勘がいいんだよ…」

そうだな。少なくとも鈍感なお前よりは。
なんて頭の中でつっこみながら話を聞く。

「月曜さ、部活も学校も休みだろ?デートに誘ったんだけど。
どこ行ったらいいかわかんないから、彼女に決めてって頼んだんだよ」
「まじか。そういうのは男からリードすべきじゃないの?」
「やっぱ、お前もそう思うか?」

色恋なんて無縁と思ってたコイツがなー。
金田一は俺のことをなんだと思ってるのか知らないけど、
俺だって彼女なんて中学の時に1人だけだし、デートだって数回しかしたことない。
雑誌やら周りの情報で、多少耳年増になってるだけだ。

「彼女がどこ行きたいっていっても、全部つきあってやればいいだけの話じゃん?」
「まぁ、それはそうだけど…」

歯切れが悪い口調だ。
これ以上、俺からは大した話はしてやれない。
…となると、頼れるのは”あの人”かな。

「金田一、急いで部室行って、即着替え」
「え?」
「いい相談役、いるじゃん。部活に」

無駄に体力使いたくなかったけど、これもこいつのためだ。
部室までダッシュすることにした。
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