twitterであげていたおはなし。2

□山口に恋するクラスメイトのクリスマスのお話。
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ななめ前を行く君。
少しだけ赤い耳がその答え、なのかもしれないな。
いくらでも、待つよ。


12月に入ると、みんなの話題の中心は必然的にクリスマスになる。
男女入り混じった輪の中で、それぞれが思い思いに予定や理想を語る。
家族と過ごす人、恋人と過ごす人。
いろんな形があるのだな、と聞いていると。

「なぁ、山口はどーすんの?」

男子の一人が彼に質問した。
聞きたかったけど、聞きたくないような気持ちなのは
わたしが彼に恋しているから。
予定がない、と言われればチャンスあるかもなんて期待するだろうし
万が一、実は彼女がいて一緒に過ごすんだ、なんて言われたら
みんなの目の前だけどもぶっ倒れてしまうかもしれない。
ドキドキして彼の返答に耳を澄ませた。

「俺は、部活の後にクリスマスパーティーやるんだ、部室で」

内心ホッとした。
女子マネージャーが何人かいるのは知っているけど、
二人きりじゃなくて部員みんなでのパーティー。
それなら、きっと彼の”隣の席”はまだ空いてるはず…


もうすぐ次の授業、ということで輪が崩れた時に
思い切って彼に話しかけてみる。

「クリスマスパーティーやるのって、24日なの?」
「うん。25日もお昼までは部活あるんだけどね。
24日は夕方まで練習で、その後パーティーって感じかな」

なんとなく聞いたふりをしたこと、バレていませんように。
へえ、そうなんだ、なんてわざとそっけない返事をして自分の席に戻る。
告白するチャンスは、何もクリスマスに限らなくてもたくさんある。
でも、あと半年もしないうちに2年生になってしまう。
進学クラスは2クラスだけだから、また同じ教室になれる可能性だってあるけど
別れてしまうことだってありえる。
だったら…クリスマスの力を借りて、思い切ろうかなって。
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