novel

□ゆびきり
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中学生になった今にしてみれば
非現実的な約束
虐められて泣いていた
俺を 慰める為の
その場しのぎの 約束
その約束を ずっと信じていた
本当は…今も…
心の何処かで信じているのかもしれない
幼いあの頃に抱いた恋心が…今も変わらないように

昔は週末になれば
堕威兄ちゃんが泊まりに来てくれていた
二人で遊んで
二人で一緒に眠って
一緒に過ごせる週末が
楽しみだった
堕威兄ちゃんを独占できる時間が 大好きだった
自分の部屋で 堕威兄ちゃんと二人だけで居ると
本当にお嫁さんになれた気がしていた
その幸せな週末が
ずっとずっと続くと思っていた

けれど
あの日を境に
堕威兄ちゃんは
泊まりに来なくなった…
俺から 離れて行ってしまった
楽しみだった週末も…
迎えられなくなってしまった…
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