novel

□ゆびきり
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バチが当たったのだと思った
自分の欲望を叶えるために 知らないふりをして
嘘をついたから
堕威兄ちゃんは 望んでもいないのに
ファーストキスをさせてしまったから
自分の軽率な行動を
何度も何度も悔やんだ
だけど…あの夜 キスした事だけは…どうしても 悔やめなかった
堕威兄ちゃんが帰ってしまって
今日からは…ずっと 一人ぼっち
ベットに入ると
堕威兄ちゃんの匂いが、微かに残っていた
堕威兄ちゃんの寝ていた枕には はっきりと香りが残っていた
その日から俺は
毎晩 堕威兄ちゃんを思いながら
枕を抱き締め
泣きながら 眠りに就いた

自分の欲望を叶える為に
嘘をついたから
バチが当たった
自分が堕威兄ちゃんに
求めてしまったから
嫌われて…堕威兄ちゃんが離れて行ってしまった
堕威兄ちゃんへの思いは変わらなかったけど
自分が堕威兄ちゃんに
何も求めてはいけないのだと…思い知らされた
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