花丸日和(刀剣乱舞)

□弥生
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ホ〜ホケキョ


刀剣として生み出され、始めての春がきた。


ー廊下


リュウ『大分、外も暖かくなりましたね。』


キシ『あぁ、おかげで洗濯物がすぐに乾く。』


洗濯当番であったキシとリュウは、乾いた服を畳んだ後、各部屋に持って行く最中であった。


平野「キシさん!リュウさん!」


平野が、クローバーを大事に持って二振の元に来た。


平野「内番、お疲れ様です。」


キシ『平野か。先程、粟田口の部屋にいた乱に洗濯した服を渡しておいた。』


平「それは、部屋まで届けて下さり有難うございます。」


リュウ『いえいえ、内番として当然のことをしたまでですよ。…ところで平野殿、今手にあるのは白詰草ですか?』


リュウは平野の手にある四葉のクローバーが気になった。それを見たキシは、少し目を開く。


キシ『もしや、それは四葉のクローバーというものか?』


平野「はい。先程、大樹の下で見つけました!」


リュウ『四葉のくろーばー?白詰草ではないのでしょうか…?しかも、普通は三つ葉のはずでは…??』


キシと平野はクローバーのことを分かっていたが、リュウだけが理解していなく混乱していたのだった。


キシ『白詰草とも言うが、別名でクローバーとも言う。しかも、三葉より四葉は貴重な代物だ。』


平野「はい!主が言うには、四葉が生えるのは一万分の一なんだと教えてもらいました。」


リュウ『その一万分の一の中を平野殿が見つけたのですね、お見事です。』


キシ『今日は良いことあるかもな。』


平野「はい!これを機に鶯丸様に…!」


平野は笑顔でクローバーは見た後、あることを思い出して二振に訪ねた。


平野「あ、あのすみません。鶯丸様を何処かでお見かけしませんでしたか?」


リュウ『鶯丸殿でしたら、向こうの縁側におりましたよ。』


キシ『いつものように茶をしていたから、まだいるだろう。』


平野「有難うございます!」


平野は二振にお辞儀をして、鶯丸がいるところに行った。二振も平野を見送り再び、皆の服を届けに行った。


キシ『平野、嬉しそうだったな。』


リュウ『尊敬するお方と、例え小さなことでもお話しはしたいと思いますよ。』


キシ『それもそうだな。』


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リュウ『内番の仕事、お疲れ様でした。』


キシ『ああ、お疲れ。』


鶴丸「リュウ!キシ!大変だ‼」


キシ・リュウ『『⁉』』


二振がそちらに向けると、そこには具合が悪そうな山姥切と、そんな彼を支えている鶴丸がいた。


リュウ『や、山姥切殿⁉鶴丸様、山姥切殿はどうされましたか⁉』


鶴丸「それが…、っておい!」


山姥切「い、いい!写し俺にはな、なんでも…うっ…!」


鶴丸・リュウ「『山姥切/殿‼』」


キシ『…。』


立つので精一杯だった山姥切が、ついに膝についた。それを心配して焦る鶴丸とリュウ。
暫く無言で呆れていたキシは溜め息ついた後、三振に背を向けた。


キシ『取り敢えず、鶴丸は山姥切を部屋に運べ。リュウは白湯を頼む。山姥切、すまないがお前の部屋から勝手に布団を出すからな。』


そう言って、キシは早歩きで山姥切の部屋行った。キシが去った後、三振は指示通り、それぞれの行動をする。


リュウ『承知しました!では、白湯を作ってきます。山姥切殿、ご無理なさらぬように!鶴丸様、山姥切殿を頼みます!』


鶴丸「おう!そっちも頼むぞ、リュウ!」


リュウ『はい!』


リュウは、急いで厨に向かった。


山姥切「そ、そんな大袈裟に…うっ…!」


鶴丸「山姥切!しっかりしろ!」
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