〜絆〜 (FAIRY TAIL)

□第十一話
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ファントムギルドからなんとか撤退に成功した妖精の尻尾。
そして、ナツとハッピーは捕らわれたルーシィを無事救出して、妖精の尻尾に帰ってきた。


魔力を失ったマカロフは、マグノリアの東の森にある木の家に住むマカロフの知人、妖精の尻尾の顧問薬剤師の治癒魔道士ポーリュシカの元に運ばれた。


ポーリュシカの話ではマカロフが受けた魔法は、枯渇(ドレイン)。
対象者の魔力を吸い取る魔法で、
流出した魔力は空中を漂い、やがて消えるらしい。


魔道士にとって魔力とは生命の源に等しく、魔力が強大な者程失えば苦痛であり、死に至る状況でもある。マカロフは暫くそれに耐えなきゃいけなかった。




ーーーーーーーー


ー地下一階


妖精の尻尾の皆は、傷の手当てをしたり、ファントムに向けての作戦会議をしていたが、


「あークソッ」


「まさか俺たちが撤退するはめになるとは……」


「悔しいぜ!」


「ギルドやレビィたちの仇もとれてねぇ……」


「しかもマスターだけでなく、まさかアルまでやられちまってたなんて……」


「アイツ、生きてるかもわからないらしいじゃねぇか……!」


「ちくしょっ」


「どうすればいいんだ⁉︎」


ガヤガヤ


そんな皆の会話を聞き、ルーシィは表情を更に曇らせる。


「…どうした?まだ不安か?」


「……ううん。そういうのじゃないんだ…なんか、ごめん」


グレイが話し掛けるが、ルーシィは謝るばかりだった。


「ま、金持ちのお嬢様は狙われる運命よ。そして、それを守るのが漢…」


「そういうこと言うじゃねぇよ!」


グレイはエルフマンに突っ込む。まるで、空気読めって感じに。


「でもおいらも驚いたな。ルーシィ、なんで隠してたの?」


「隠してた訳じゃないだけど、家出中だったからね…あんまり話す気になれなくて……一年間も家出した娘に関心なかったくせに……急に連れ戻そうとするんだもんな…パパが私を連れ戻すためにこんなことをしたんだ……最低だよ!」


ルーシィは父親のやり方に怒り、そしてギルドの仲間に罪悪感を感じてしまい、申し訳なく思ってしまった。


「…でも元を正せば、あたしが家出なんかしたせいなんだよね…」


「それは違げぇだろ。悪いのはパパ…」


「バカ!」


「!うわぇい……いやファントムだ!」


エルフマンは素直に言おうしてしまった瞬間、グレイに注意されて訂正する。



「あたしの身勝手な行動で…まさかみんなにこんな迷惑かけちゃうなんて…本当にごめんね……あたしが家に戻れば済む話しなんだよね」


「そうかな?」


自分を責めるルーシィにナツが否定する。ルーシィはナツを見る。


「つぅーか、“お嬢様”っても似合わねぇ響きだよな。この汚ねー酒場で笑ってさぁ……騒ぎながら冒険してる方がルーシィって感じだ」


「……」


ルーシィはナツの話しで泣きそうになった。


「ここに居たいって言ったよな。戻りたくねぇ場所に戻って何があるの?」


「!」


「妖精の尻尾のルーシィだろ?此処がお前の帰る場所だ」


「〜っ、うぅ…」
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