女剣士 (イナズマイレブン)
□第十八話
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ーグラウンド
「栗松、走れ!」
栗松から豪炎寺へ、次に一之瀬に渡り、ヘディングして上がったボールを鬼道がゴールに向けて蹴る。円堂はそれを受け止めるが弾かれる。
『はぁ!』
「⁉︎…うわぁ‼︎」
その隙を見て清香は、すぐゴールに蹴った。それに反応した円堂だったが、ボールには届かずゴールを入られてしまった。
「くっ!…もう一回!」
実戦さながらの激しい練習を繰り広げていた。
「良くなってきたな。」
『だが、世宇子に勝つのはまだまだだ。』
「そうだな。行くぞ!」
『ああ!』
鬼道と清香は、必殺シュートの体制に入った。
「鬼道!」
「はぁ!」
『やぁっ!』
鬼道がボールを空中に上げ、清香がヘディングで打ち落とす。そして落ちてきたボールを鬼道がシュートする。
「『ツインブースト』」
「ゴットハンド」
ツインブーストはゴットハンドによりギリギリに止められる。
「よしっ!」
「皆ー!」
「おにぎりが出来ましたー!」
「「「「「おぉー!」」」」」
マネージャー達が作ったおにぎりに、鬼道と清香以外が反応し、そちらに向かった。
『…彼等、手を洗わないのか?』
「さぁな。俺達は、洗ってから食べるか。」
『…まだ、彼等との感覚が噛み合っていなかったか。』
二人は帝国にいた時から、ご飯を食べる時はきちんと手を洗うことを大切にしていたのだった。
「おにぎりおにぎり〜……ん?」
「…。」
『…。』
皆は夏実に手を洗うことを指示され、手洗い場へ向かう。駆け出すと、前方からハンカチで手を拭いている鬼道と清香の姿があった。
「「「……。」」」
行動が早い二人に皆は唖然としていたのだった。
「どうやら、俺達が正解だったみたいだな。」
『みたいだな…。』
「清香ちゃん、鬼道君。お帰りなさい。」
「さあ、手を見せなさい。」
それから皆も手洗いから帰ってきて、それを確認するように両手をマネージャー達に見せた。夏実は満足そうに頷き、木野と音無は苦笑だった。
「はい、どうぞ。」
「いっただきまーす!」
円堂を始め、各々でおにぎりを取っていく。
「ほら。」
『!…ありがとう、態々取って来てくれたのか。』
「早く取らないと、壁山に食べられてしまうからな。」
『違いない。』
豪炎寺は清香の分のおにぎりを渡して、一緒に食べていた。
『…。』
「どうした?」
『いや、誰かが作ってくれたおにぎりを食べるの久しぶりだなと思って…。』
「帝国の時はなかったのか?」
『主に自分で作ってたから…。親がいない時は、デザートも作って弟達や帝国の皆にあげてたな。』
「(手作り…。)」
懐かしいと思い出しながら、ちびちびとおにぎりを食べる清香に、清香の手作りを食べてみたいと思ってしまった豪炎寺だった。
空腹を満たされていた皆は満足に食べ終わった。
「うまかったっスー!」
「でもやたら塩辛いのが…。」
「よーし!あともうちょっとだ!」
「「「オウッ!!」」」
「あ!待ってくれっスー!」