花丸日和(刀剣乱舞)

□如月
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ー洗い場


キシ『…此処は、問題なさそうだな。』


歌仙「やぁ。キシじゃないか、どうしたんだい?」


キシ『ただの見回りだ。…それは役に立っているようだな。』


キシは、歌仙の隣にある柔軟剤を見た。


歌仙「ああ。香りも良く、とても洗いがいがあるよ。風流とは、風に吹かれる洗い立てのシャツだな。」


キシ『…そうか。(風流…なのか?)』


キシは疑問持ちながらも干しているところを見る。
真っ白になった服の中、襤褸布を被って干している山姥切に目に入った。


キシ『…(あの布…、山姥切か。)』


歌仙「(洗いたい…。あの布も僕の手でどうにかしてやりたいんだが…)」


キシ『山姥切。』


山姥切「何だ。」


キシ『お前のその布は、洗わなくていいのか?』


山姥切「必要ない。写しの俺には、これがお似合いなのさ。」


歌仙「僕が、洗いたいと言ったら?」


山姥切「断る。」


山姥切はその場から逃げるように違う場所から干して行く。


歌仙「そうか…。」


キシ『…(あの布、少し考えてみるか。)歌仙、邪魔したな。』


歌仙「あぁ、構わないよ。(あの布が白くなったら、どれだけ風流だろう…。いつか、いつか僕がこの手で…!)」


二振は、山姥切の布を考えながら持ち場に戻った。


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ー畑


キシ『(随分成長したな。)』


キシは我が本丸の主である審神者が、今現在育てているハーブを見る。


お供「やや!キシ殿!」


愛染「おーす!キシさん!」


キシ『鳴狐、愛染。本丸は慣れたか?』


愛染「おう!皆、色々教えてくれるからな!」


鳴狐「うん。」


お供「鳴狐が楽しそうで、私めも嬉しゅうございます。」


キシ『そうか。』


愛染「ところでキシさん、何で此処に?」


キシ『ただの見回りだ。(此処も特にはないみたいだな。)では引き続き、畑仕事を頼む。』


愛染「任せとけ!」


鳴狐「頑張る。」


お供「その意気ですぞ、鳴狐。」


キシが畑に出た後、二振はキャベツを見つけて立ち止まっていたのだった。


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ー馬小屋


秋田「あ!キシさん!」


石切丸「やぁ、どうしたんだい?」


キシ『邪魔する。ただの見回りだ。』


キシは馬を撫でて辺りを見る。


キシ『特に問題は無さそうだな。引き続き、馬当番を頼む。』


秋田「はい!」


石切丸「分かったよ。」


キシが馬小屋から出た後、秋田がある事を思い出す。


秋田「石切丸さん。この馬は、名前あるんでしょうか?」


石切丸「そういえば…、僕も知らないな。さっき、キシさんに聞けばよかったね。」


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キシ『(後は、稽古場だけだな。)』


リュウ『キシ殿〜!』


稽古場に向かう途中、リュウに会い立ち止まる。


キシ『何だ、リュウ。』


リュウ『実はお願いがあるのですが…』


キシ『?』


リュウ『本日の夕餉なんですが、鍋に致しませんか?』


キシ『鍋?』


リュウ『はい!新しい刀剣も増えて来たので、親睦の為に新刀剣歓迎鍋パーティーをやろうと相談してまして』


キシ『お前は、今日食事当番では無いだろう。』


リュウ『はい。ですから、代わりに鍋に必要な物を買い出しの許可を頂きたく存じます。』


キシは少し悩んだが、やれやれと承諾する。


キシ『分かった、主からは俺が言っておく。』


リュウ『ありがとうございます!』


リュウは早速行って参りますと言って、去って行った。

キシもリュウを見送った後、稽古場に向かうのであった。
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