主
□倒錯的異常性欲
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ビールの空き缶が増える
すきっ腹で飲んだからか、すぐに酔っ払ってぼーっとしてきた頭からだんだんと理性が失われる
だけど、飲めば忘れられると思ってた孤独感は缶と比例して空っぽなくせに増していく
人恋しい
温かい腕に包まれたい
欲求は増すばかりで
キッドは今夜もまた成功したらしいと
テレビは伝える
何故かは分からないけど、犯行に成功したキッドに腹が立つ
「なによ!月下の奇術師って...。 名前だけじゃないの? 怪盗なら、私の寂しいって気持ちぐらい盗めってーの!」
我ながら無茶苦茶な理論だ
そんなことを何度も誰に聞かせるでもなく繰り返し呟く
開けたつもりがない窓が開いていたことにも気づかない程度に私は出来上がっていた
「...開けてないのになんで風入ってくるのよ!」
ベッドから立ち上がって窓を閉めようとしたときに、後ろからいきなり抱きしめられた