主
□Acid chocolate
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昨日、オレは道端で呆然とした。
その瞬間ギリギリの一本の糸で保っていたオレの正気はプツリときれる音がした。
オレの大切な彼女。
オレ以外誰にも触らせたくない彼女。
オレ以外に見せたくない彼女。
そこまで愛している舞が、他校の制服を着た男と歩いている。
ギリギリの細い糸で保っていた正気はプツリときれる音がした。
理性がぶっ飛べばそこに残るのは本能のみ。
鎌首を擡(もた)げた狂気が凶器を向いてしまうのは至極当然のこと。
オレの狂気が表面に出る原因を作ったのはおかしくなった彼女。
彼女がおかしくなる原因を作ったのはあの男。
きっと舞は騙されているんだ。
オレがあんなヤツ今助けてやるからな。当然、倒されるべき悪はアイツ。悪は滅びる、即刻打ち首。
だからといってオレ以外に笑顔を見せた舞も許さない。どれだけオレが好きで好きで好きで好きで好きで好きで狂いそうなことを知っているくせに、他の男といるなんて許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない。