□鏡花水月-Othello-
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快斗と肩を並べて帰った翌日、
私の家のポストに投げ込まれていたものは、快斗と私なんかよりずっと可愛い女の子と激しくキスをする写真。


細かいところまでは見ていないけど、すぐに頬を伝うものがあった。


涙をパジャマで必死にぬぐい、嘘の頭痛で親に休むことを伝え、自室のベッドに逃げ込んだ。


写真はゴミ箱に投げ捨てて。


こんな可愛い子なら勝ち目ないよね...。
付き合うなら可愛い子の方がいいよね...。


自問自答を繰り返しながら、泣いていると、疲れていつの間にか寝ていたようだ。


スマホを見ると、写真に写った彼からLINEと電話が来ていたらしい。


けど開けば、かけ直せば。
残酷な現実が待っていそうで、怖くて出来なかった。


月明かりだけが照らす部屋で
泣き腫らして重い目に飛び込んできたのは白い紳士。
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