野崎くんでユメショ

□ね、知らなかったよww
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「あ、真由くんだ!」


柔道の教室の前に彼はいた。
通りすがりではないみたい。真由くんは、白い胴着が入ったいつものカバンを持っていた。







「...ども」







「真由くん、精が出るねぇ!」






「そういう...名無しさんさんこそ」





「えー? 私はいいの! だって休日はストレス発散のために柔道に当てるって決めてるから」




そう休日は絶対に柔道に当てる。練習という名目で人を投げ飛ばすと、すっきりするから。



それに真由くんに会える。





真由くんはとっても上手で、負けたことなんて一ヶ月に一回あるかないかの頻度。それなのに、表情は少しも変わらない。





…なんて思ってたのは、一年前の私。







真由くんは思ってるよりも表情が変わる。恥ずかしいとき、照れてるとき、嬉しいとき……ほんのりと頬が桃色に染まる。



怒っているとき……機嫌が悪いときは眉を少し寄せて、目付きが鋭くなる。







そんな些細なこと。



だけど、私はそれが分かったとき堪らなく嬉しかったのを覚えてる。
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