中編小説
□どんな告白でしたか
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〜回想〜
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「俺と付き合ってくれないかな」
『………ん?』
いきなり幸村に告白(?)された。いきなり呼び出されて、不思議に思いながら幸村の話に耳を傾けていたら、いきなり告白された。不思議。だけど私は幸村のことが好きだったりする。好きになったきっかけは、まあ、長くなるからまた後で話すことにするよ。
付き合うって、どっちの「付き合う」だろう…。どこかに付き合えばいいのか、恋愛的な意味で付き合えばいいのかな…
でも、どこに付き合うとか言われてないから…恋愛的な意味かな?でもさ、これで『こちらこそお願いします』って言って「は?トイレに付き合って、って意味なんだけど」とか言われたら、一生立ち直れない。
んんー
『あの…』
「ん?」
『それは、彼女になってくれ!ってことかな?』
「そうだよ(馬鹿・・・)」
『あっ、トイレに付き合ってほしいわけじゃないんですね』
「は?」
『なんでもないですごめんなさい』
恋愛的な意味だったか……
ていうか私と付き合いたいとか本気で言ってるのかな。
だったら嬉しいや(貴重なデレ)
「返事、聞かせてほしいな」
『お、おう…』
返事ですか。いや、でも返事なんかよりも気になることがあるんだ。
『ねえねえ』
「なんだい?」
『幸村は私のどこが好きなの?』
ちょっとストレートすぎたかな。幸村は「そんなことどうでもいいから告白の返事をしろよ…」みたいな顔をしている。
どうでもよくないだろ!!!
『教えてよーん』
幸村、困ってる…
「そうだな、」
『うんうん』
お?やっと教える気になったか!
「全部、かな」
『……』
ちょっと今ときめいちゃったよ!恥ずかしい…
『なるほど…』
「(…?)」
全部とか…全部って、…本当に全部かな?
最近幸村とよく話すんだけど、幸村に引かれてるようか気がするんだよね。
そこも含めて好きってことかな?すげえな幸村。
「早く」
『ん?』
「返事だよ」
『ああ!返事か!』
神崎夏音、人生初の告白(の返事)です。
『……』
「……(早く言えよ…)」
『私も、好きです』
うあああ!言っちゃった!!!
恥ずかしい…!
どうしよう私振られちゃうかな…!
あ!!!幸村から告白してきたし振られることはないか!!!(大混乱)
「ねえ、」
『は、はい』
「さっきの言葉、本気?」
『おう』
なんか幸村動揺してる…
「俺と、付き合って」
『お、おう…』
なんでこいつの告白は上から目線なんだ。
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〜回想終了〜
『…っていう告白だったよね』
「いきなり何?」
『いやぁ、あんなに上から目線で告白されてさ、よくOKしたなぁって』
「俺のこと好きだったんだろ?」
『うん』
相変わらず幸村は口が悪い(私にだけ)。
私はそんな幸村が好きだったりするんだけど。
他の女の子には優しすぎて気持ち悪い。
「お前今失礼なこと考えただろ」
『ぅえ、なんのことかなー』
「……」
『優しすぎる幸村は気持ち悪いって考えてたよ』
「五感奪うよ」
いやん、五感奪うのはヤメテー。
本当に幸村は言葉遣いが悪いな。
でも言葉遣いが悪い幸村は私とその他一部(誰)しか見れない、これはちょっと嬉しい。
『幸村ーーー』
「なに?」
『好きですよー』
「…知ってる」
前から思ってたけどさ、こいつツンデレだよね。