黄金魂
□恋のお手伝い
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「本当に良いお天気…」
カラッと晴れた日の昼下がりのこと。リフィアは、散歩がてら、聖域の十二宮の階段を下っていた。
アイオリアは、聖闘士見習いに指南するために午前中から闘技場へ行ったままだ。
聖域にやって来たリフィアは、数日前から獅子宮に滞在中。アイオリアと一緒にいられるのはとても嬉しい。嬉しいのだが。
ふぅ、とため息をついた。側にいると、恋心が募る一方、アイオリアとは進展があるどころか、まだ手を繋いだこともないのだ。
「リフィアさん。」
声をかけてきたのはムウだった。
「ムウ!こんにちは!」
「リフィアさん。どうしたんです?何か悩み事ですか?」
「え?ううん、そういうわけじゃ…」
「恋煩いですか…」
にっこりと核心を突いてくるムウ。
「え!?…ちがうの、ちがうの!」
リフィアは赤くなって否定する。
「ほら、噂の獅子がもうじきこちらにやって来るようですよ。迎えてあげたらどうです?」
「えっ?…ええ、ありがとう、ムウ!」
リフィアが駆け出す。
『やれやれ…女性をあのように悩ませるとは、全く罪作りな獅子ですね…』
ムウは意味ありげに笑った。
「リフィアさんのために、一肌脱ぎますか。」