黄金魂
□恋のお手伝い
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「アイオリア!」
駆け寄ってくるリフィアを見て、アイオリアが不思議そうに首をかしげた。
「リフィア?どうしたんだ。」
「お散歩してたら、ムウがあなたがもうじき帰って来るって教えてくれたの。」
「そうか。」
その時、二人の立っている場所に突然巨大な影が落ちた。
「…?」
見上げると、山のように大きな岩がはるか頭上に浮かんでいた。
「きゃっ…」
「な…!?何だあれは…!?」
二人が声をあげた瞬間、巨大な岩がまっ逆さまに落ちてくる。
「くっ…ライトニングボルト!!」
アイオリアはとっさに拳を放った。巨大な岩は粉々に砕け散る。
だが、安堵したのも束の間、今度は砕け散った岩の欠片がこちらへ落ちてきた。落ちてくる、というよりも、無数の欠片は、まるでひとつひとつが意思をもっているように、リフィアをめがけて飛んでくる。
(何なんだこの岩は!?…数が多すぎる!)
その場に倒れ込んでいたリフィアに、アイオリアは咄嗟に覆い被さった。アイオリアの身体に無数の岩の欠片がぶつかり、バラバラと落ちた。
「大丈夫か、リフィア…?」
「……っ!」
リフィアには一体何が起こったのかわからなかった。巨大な岩が落ちてきたと思ったら、岩は一瞬のうちに砕け散り、気が付くとアイオリアに押し倒されるように覆い被さられていた 。アイオリアの顔が間近にあり、その距離の近さに赤くなり、思わず目を反らした。
アイオリアが顔を上げると、リフィアと目があった。リフィアの頬を赤く染め恥じらった表情を見て、アイオリアの胸がカッと熱くなる。
(…っ、可愛い…)
潤んだ瞳。触れてしまいそうなほど近い、桜色の唇。アイオリアはごくりと息を飲んだ。リフィアから目が離せず、動けない。
「……何やってんだ。お前たち。」