黄金魂
□恋のお手伝い
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「デスマスク、アフロディーテ!」
アイオリアとリフィアは驚いて身体を離した。デスマスクはニヤニヤと笑いを浮かべている。
「これには訳が…!突然、上から巨大な岩が落ちてきてだな…!」
「…どこにそんなもんあるんだ?」
見ると、確かに身体にぶつかってきたはずの岩の欠片はどこにも見当たらない。
「…何故だ?岩は一体どこへ…」
「あー、あれだな、白昼堂々…お前ら、わりと大胆だな。」
アフロディーテも頷く。
「ここでリフィアに劣情を抱いたとあれば、アイオリアよ、些かスマートではないな。」
「…違う!断じて違う!!」
デスマスクとアフロディーテの言い草に、否定するアイオリア。
「第一、俺たちはそんな関係では…」
思わず言いかけたが、声が小さくなる。リフィアのことは憎からず思っているし、彼女の好意も充分に感じているからだ。
「ん?お前ら、できてるんじゃなかったのか?」
「…っ」
赤くなるリフィア。デスマスクとアフロディーテに アイオリアは小声で告げた。
アイオリア『…リフィアはまだ16なんだぞ。』
デスマスク『16!?』
アフロ『16歳ならば、国によっては結婚も出来る年だ。』
デスマスク『16か…絶妙な年頃じゃねえか。』
アイオリア『なっ…』
アフロ『無垢な女性に色々と教えるのも、魅力的だな。』
デスマスク『…アイオリア、お前ばっかりラッキーだよな。お前が手を出さないなら、俺に…』
好き勝手な物言いのデスマスクとアフロディーテに、アイオリアの堪忍袋の尾が切れ、思わず叫んだ。
「誰がお前らに渡すか!好きだから簡単には手を出せんのだっ!!」
しん、と静寂が訪れる。アイオリアは我に返った。
(しまった、つい、大声で…!)
「……ごちそーさん。」
デスマスクとアフロディーテは、わははと笑いながら行ってしまった。