進撃のリヴァイさん!!!
□進撃される男達
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ステラは、壁に追いやられている。
毎回、壁どん。を喰らうが恐怖と悔しさしかないという。
彼女は、悔しそうにリヴァイを睨み付ける。が、怖いのと照れてうつ向いたり、盗み見てしまう。
リヴァイは、彼女の頬を触り誘う。
豆乳鍋を抱えながら。
「…しろ。」
「は。」
固まる表情が、面白い。黙って睨めば、ステラの頬はみるみる赤くなる。
リヴァイは、眼を細くさせ獲物を捕らえ頬笑むネコのような、光を湛える。
彼女は、ミケの影がのそりと動くのを見てひやりとする。ステラは、ミケがリヴァイと「恋人」になったのを、知らないでいると思っている。
(……そ、そんなっ!ミケさんがリビングに。なんちゅう事させんだよ、チビ。)
荒むのも、無理はないがリヴァイの視線に負け、彼女は顔をひきつらせ彼の顔に唇を近づけ囁く。
「…目、閉じて下さい。」
リヴァイは、素直に眼を閉じる。ステラは、長い睫毛の彼を見て怯えた。
素直に眼を閉じる彼は、めったに見られない。眼を閉じる即ち、ゴロツキには死を意味する。
(………………ゴロツキが、こんな素直に眼を閉じるのかよ。マジかよ。)
ステラは驚く。だが、根が真面目なのかリヴァイにキスしようと唇を恐々近づける。絶妙なタイミングで、ミケがリビングからカセットコンロのガスを持ってきた。
確信だ。彼は、ステラを見てにや。と笑い、「ぐっ。」と、親指を立てる。
彼女は、安堵して会釈するが、リヴァイが不機嫌になる。
舌打ちをし、睨み付ける。
「っち…。」
「リヴァイ、腹が減った。」
「…ステラ、飯は。」
「……わ私は、先程、家族で頂きました。姉が友人と会うとかで、今日食べてくるらしいです。」
「食え。」
「人の話」
有無を言わさず、リヴァイはステラにカセットボンベを投げ渡し、リビングに入っていく。ミケと顔を合わせ、彼女は苦笑いを浮かべる。
「み、ミケさん、おひさしぶりです。何と言うか、助かりました。」
「……リヴァイとは、そういう。」
「あ、い、いや。はぁ、その、いつの間にか。」
「……心配ない。」
すん。と、鼻を鳴らしてミケは、ステラの頭をやさしく撫でてリビングに戻った。彼女もリヴァイに叱られる前にリビングに入る。
リヴァイは、椅子に座り刻んだ白菜と豚肉を並べて待っている。彼は、不機嫌な顔をしてるが、実際はステラが来て機嫌は悪くない。
「早くしろ。…豚肉を湯通して、殺菌しなきゃならねぇだろうが。」
「わ、わかりました。あ、み、ミケ専務も」
「ミケ。お湯を沸かせ、ステラ。お前は、手を洗ってうがいしろ。」
人類最強のお母さんが、降臨だ。