進撃のリヴァイさん!!!

□進撃される男達
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流れで、リヴァイさんのお宅にお邪魔してしまったステラは、母親にlineをした。彼女には必ず全てを報告する。と、いう国家機密よりも重要な決まりなのだ。

[お母さん。リヴァイさん家で鍋する事になっちゃった。帰りたくても、帰れない。ミケさんいた。]

お母さん。
[サイン貰いなさい。お母さんも一時間したら行くから、辛抱して。お父さん寝かしつける。]

ステラは、酔うと寝る父を忌々しく思い、顔つきがリヴァイさんに変わる。
舌打ちまでしてしまう。

「…ッチ。」


彼女は、気配に気をつけて手洗いうがいをする。リヴァイの家はとにかくショールームのように綺麗にしてある。
生活感がない。

白のこっぷ、歯ブラシ、スリッパ。
壁もとにかく白い。昔ステラが落たが、怒られると失禁したがリヴァイは怒らず、遊び部屋としてそのままにしてある。


(そういえば、あの落書き。リヴァイさんときぃちゃんを描いたんだったけ。まだ、あるかな。)

何となく思いながら、洗面所からでる。リビングで、ミケにリヴァイがフォークで喉に付き突きつける。
ステラは、目を丸くして冷静沈着に話しかける。

慌てるのは疲れるからだ。
ミケも顔つきは、しかめっ面だが冷静だった。

ステラが聞く。

「…どうしました?」

「ネギを取ろうとしたら、こうなった。」

「……リヴァイさん。ネギは少し時間をおいた方がより美味しいです。」


リヴァイは違う事でお怒りなようで、ステラがきゅんとしてしまう。

「…ッチ!……お前の戻りがおせぇからだ。早くしろ。時間が惜しい。野菜が萎びちまうだろ。」

「野菜は茹で上がってるので。」

「…歯切れが悪ぃのは、クズだ。」


野菜にまで難癖をつけてきやがった。
ミケもステラも、顔をしかめる。
よく見れば、一人用の土鍋。ミケは、切なそうに呟く。

「一人用か。」

「……み、ミケ専務。よろしければお作りしましょうか?リヴァイさん、食材使わせて頂いても。」

「………甘さ控えめの何かを作れ。」

「何を。」


何か。リヴァイさんは、デザートのレアチーズプリンが食べたいが、素直に言えずに何かと言う。そこは、ミケと彼女の推理が始まる。とりあえず、ステラはミケにお摘みを作る。

冷蔵庫から、ニラと卵を出して鍋に水をいれ沸騰させる。ステラは、今更だが、リヴァイに聞いた。

彼は、先に豆乳鍋を不味そうに食べている。箸が止まらないから、美味しいらしい。

「リヴァイさん、台所勝手に借りました。すみません。卵ニラ食べますか?グーテンダーク裕三が作ってんで、お出ししてもよろしいでしょうか。」

「……毒味してやらねぇでもねぇ。早くしろ。」


ミケは、お茶をすすりながら思う。

(リヴァイ、食べたいなら食べたいって言えばいいのにな。)

相変わらず、素直でない。ひねくれた、粗暴で冷酷と言われているが、根は不器用な優しさを持っている。
くそ間抜けタヌキ人間には、溢れる気持ちが暴走しがちだが、ミカサよりかは冷静。

鍋を食べているが、ステラが気になるのか、ミケの為に鍋を作るからなんか嫌な気持ちでいる。

眉間のシワが寄り、一言。

「…ミケにさせろ。」

「は?」

「ミケが押し掛けて来やがった。ミケが作りゃあいいだろう。……ステラ、お前は主を差し置き、他の豚野郎に飯を作るのか。いいこになったな。」

「…はぁ??……り、リヴァイさんのご友人じゃありませんか。……無茶苦茶ですよ。」

「座れ。…」


リヴァイが睨むから、ステラはミケに代わって貰い、しぶしぶ席に座る。
意味不明にもなるが、彼はやきもちを妬いているのであります。
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