進撃の変人(番外編含む)

□親戚のリヴァイさん。
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リヴァイは電気ノコギリと、意図的に入ってきた野良犬を思い返す。
毛並みは整い痩せてもいない。
直ぐ様飼い犬だと気づいた。


リヴァイは母に尋ねる。
姉妹は父に廊下にあげられて、お風呂に連れられていく。

「…おぃ、…周辺に犬はいるか。」

「………裏の松田さんのゴールデンレトリバーのタケオくらいよ?」


タケオ3歳。お嫁さんを募集している。ステラとも顔見知りで、よく裏に侵入してきたりするが、鶏に意地悪しないしきゅうりが大好きなお利口さんだ。

寧ろにゃあ子の枕にされる。
リヴァイはタケオを見たことがないが、野犬は秋田犬や狼犬のような、するどい顔をしていた。


(……躾のなってねぇクソ犬なら察しは付く。ここらを調べてみるか。ペトラやクソチビが狙われる可能性もある。)


取り合えず、リヴァイ少年は子供には塩対応だが基本的に叩いたりはしない。彼は精神面では既にある意味では成熟はしているが、まだまだ体と精神のバランスがとれない。

そこは自分でも把握している。


(…ガキの体だとやりにくいが、工夫をすりゃあなんとでもなる。ガキしか許されねぇ特権もあるしな。)


13歳、身長も150pもない時代だ。
リヴァイは子供の時代も逞しく生きている。

母は彼の頭を軽く叩いて、落ち着かせようとする。リヴァイは母の手を払うもせずただ睨む。色々とめんどくさいから睨むだけにしている。


「…貴方も家にあがりなさい。……日本産の紅茶だっておいしいのよ?」

「……悪くない」


大人に向かって偉そうだが、堂々としすぎて怒る気にもならない。
大人のような素振りを見せるが、リヴァイは愛を知らない。

だからか、この家族の傍にいると温いと感じてしまう。だが、この暖かさが欲しいと思った。


家族らとリヴァイときぃちゃんも廊下にあがる。


その日はリヴァイは嫌がりながらも、こっそりお風呂のお湯を抜いて洗ってから体を洗った。




ちゅん!ぢぢぢぢぢぢ!ちゅん!

山田家は雀にご飯をあげることから一日が始まる。リヴァイには意味が解らなかった。


(こんな地味な奴等でも、集まれば気持ち悪ぃな。)


雀すら気持ち悪いと思ってしまう彼は動物が大嫌いだ。彼はぼんやり雀を見ていれば、後ろから犬の鳴き声がした。


「ぅわぁう!!」

「あ、タケオ。おはよ。」


ラル家の母が平然と言った。
タケオは母に飛び付いて尻尾をブンブン振り回した。
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