進撃の変人(番外編含む)
□親戚のリヴァイさん。
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日本の北に位置する県、青森県。
りんごの名産であるこの土地の、ある一軒の林檎農家に、ドイツ人医師の奥さんが嫁いだのはちょっとした話になっていた。
山田朔太郎の妻になったのは、まるで、収穫前の青林檎のような美しい緑の瞳のドイツ人女性。
名前は(捏造土下座m(._.)m)、レイラ。日本人にもいそうな名前だが、人々からレイさんや、レイコさんとたまにまちがえられる。
近所では評判の美人の一人娘が、駆け落ちしてから早6年。
その娘が、家族と犬を連れて実家にやって来た。
外国人が来ただけでも、大騒ぎの平和なこの場所で林檎農家35年の松田さんが、慌てて山田さんちの朔太郎さんに話しかけた。
朔太郎さんは、白髪頭に麦わら帽子に、長靴でお握り片手に猫のにゃあ子と戯れていた。
彼は若い頃、俳優になんねべか。と、近所では有名な芸達者だった。
「さくちゃん!!……大変だど??!……さっぎタクシーで、外国人が降りて来たべ。」
「おれの娘こさ、家族連れて来たは。孫も来るってよ。」
朔太郎さんは、今年で53歳だ。
まだ、若いが二人の孫のおじいちゃんになった。
彼は駆け落ちした一人娘の、帰省を楽しみにしていた。
松田さんは、眼鏡をかけ直し慌ててはなす。朔太郎さんはのんびり頷く。
主人公のステラ(仮)の、のんびりした性格の一部は間違いなく朔太郎さんの遺伝だ。
「…五人、居るはずだびゃ。」
「あぁー、確かぁ。娘が一人養子に男の子引き取ったと聞いたべな。名前なんだったかなー。リュック…じゃねな…えーと。」
「養子ぃぃぃ?!……あん子何考えてんだべ。外国人だべ?」
「ドイツ人て聞いたな。…名前りんごみてな名前だったよ。」
のんびりお握りを食べる。
松田さんは、頭を抱える。
ドイツ人のお嫁さんを迎えたり、娘が駆け落ちしても、朔太郎さんとこの妻はびくともしなかった。
二人して大笑いして、言った。
「あらー、やっぱしそうなったかぁ。孫が楽しみだな。」
「んだな、お父さん。」
アハハハハハ!
頭を抱えたのは、松田さんや近所の自治会のメンバーだった。
さぁ、15分後に松田さんがお茶を飲んで落ち着かせていると、可愛い女の子の声がして、朔太郎さんは縁側を離れて走っていく。
走ってきたのは、ひまわりのシャツと水色のスカートをはいた可愛い外国人の姉妹だった。
小さい女の子は頭を雑草みたいにして、よたよた走ってきた。
お姉ちゃんの方は妹の肩を抱いて、転けないようにしている。
「じーたん!!ちたよー!?!」
「…ステラあぶないよ!……おじーちゃんだぁ!!」
「すーちゃんに、ペトちゃんよー来だぁ!!!……おー!ひさしぶりだなぁー。…えーと、あれ。こりゃなんだべ。狼かー?たまげたなぁー。よく
狩りそうだなー。あー、君がリンゴくんかぁー。よろすくねー。」
朔太郎さんは、可愛い天使二人を抱き締めて娘の夫に頭を、快く迎える。そして、ボルゾイを狼と間違える奇跡を起こす。
彼は、一番最後に一向に目を合わせない少年を手招きする。
なぜか、青森に来ることになってしまった。少年リヴァイ君だ。
朔太郎さんは、リヴァイと名前が言いにくいからリンゴくんと言っている。
そんな可愛い名前が似合う顔立ちをしていない。
松田さんが、青白い肌で青い瞳のリヴァイを見て、震え上がる。
「…ひ!…おめさちゃんとお日様あたってんのか。食べなきゃ駄目だ。後でシシ肉持ってくっから食えよ。」
「……。」
リヴァイは母に無理矢理着せられた青いシャツを着ている。下はデニムだった。