進撃の変人(番外編含む)

□親戚のリヴァイさん。
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リヴァイは松田さんを見て、そっぽ向いてしまうが、すーちゃんことステラが松田さんにタックルして無邪気にいった。


「キャー!……おじちゃん、食べたい。」


「おじちゃん、まずいど?すーちゃん。豬鍋食うか?!」

「わたしも食べたい!」



ペトラもお揃いの服を着せられているが、にこにこしている。
二人の母親こと山田ローラさん(捏造土下座m(._.)m)は、したり顔を隠し、松田さんに甘える。


「松田さん、すみません。構わないですか?」

「…まぁー、育ち盛りが居たんじゃな。仕方ね!……夕方いぐっからよ。さくちゃん頼むど?」

「はいよぉー。」


頼むど?は、酒のことである。
リヴァイ少年は、黒猫のにゃあ子を見て溜め息をついた。


動物嫌いには、ここは辛い。
きぃちゃんに、にゃあ子、おまけにこここにはステラが心待ちにしたある生き物が居る。

彼女は、松田さんの膝に座りにやにやする。


「おじちゃん、こっこさんいる?」

「さくちゃん、まだ鶏さ飼っどんか?」

「嫁さんが、ヒヨコ増やしてまってなー。近くの小学校に5羽渡したけんど、まだ6羽おるべ。」

「…わぁい!?」


ステラは鶏(こっこさん)が好きで、なぜか庭鳥小屋に入るのが大好きだという、変わった所がある。
160cm位の、小綺麗な女性が自転車で帰宅する。

ステラとペトラの祖母だ。
若く見える。
母親は苦笑いを浮かべ、腰に手を置いた。


「ちょっと……ベッド生活になったんじゃないの?」


「あらぁ!ペトラにステラぁ、おっきくなったわねぇ。……何よこのデカイ犬。…そうでもしなきゃ、アンタ帰って来ないでしょ?!……あぁ、君ね。リヴァイ君。…ちょっとこっち来なさいよ…こいっつってんだろ。」


流石祖母。だてに不良少年を大人しくさせていない。リヴァイは舌打ちをして、やっと敷地に入ってきた。

松田さんに抱かれていたステラがリヴァイの所に駆け寄り、彼の手を繋ぐとペトラも繋ぐから、リヴァイは弱る。
払うに払えない。

前に払ったら、母に家から追い出された。は、リヴァイは女の恐さを知る。


(…っち…めんどくせぇ……。)

だが、両手に天使。まぁ、悪くはない。無表情で縁側に座らされる。



ステラが緑の瞳で祖母に笑いかける。
にやぁ〜。と、こちらが力が抜ける笑みに祖母もきゅんとする。


「…やぁー、ステラもペトラもかんわいいねぇ。流石が私の孫だわ。立ってないで荷物置いてきなさい。…冷蔵庫にケーキあるから食べな。……で、その犬は外に繋いでていい奴?」


きぃちゃんは、父にリードで繋がれて不機嫌だ。彼女はようやくラル家に慣れてきた。8月で三ヶ月になる。


ジトー…と、祖母を睨む。
彼女はけらけら笑う。笑うと、ステラに良く似ている。彼女が父の空気感を不憫に思って話しかけた。


「…あなたもドイツからお疲れ様でした。よく来てくれたわね。」

「いえ…。」


ラル家の父は、駆け落ちしたことも申し訳なく感じているのか浮かない顔をしている。母が近寄り話しかける。
会話はドイツ語。


「…どうかした?」

「いや、俺がきていいのかなって。」



因みに、ラル家父は日本語は上手い。
ただ、青森弁はあまり聞き取れない。松田さんは、きいちゃんを見てほれぼれしている。
どや顔のきぃちゃんは、美しい毛並みを自慢するように立ち上がる。


「…んだー、見事な狼だな。」

「松田さん、この犬一応ボルゾイって言うんですよ?あ、母さんこの子は室内犬よ。」


母が言えば、ほーっと驚いた顔をする。かなりでかいからだ。きぃちゃんは縁側のステラを見て吠えた。

どうやら、危なかったららしい。
ステラの足元にムカデが居たからだ。


「ワゥ!!」

「…わ!ムカデだー!」


朔太郎が塵取りをもってきて、すぐに裏庭にほっていく。リヴァイは気持ち悪いものを見たと更に不機嫌になった。ステラは心配そうに彼の腕を引っ張る。

3歳に気を使わせる13歳。


「…兄たん…。」

「……ッチ。気持ち悪い。」


あ。リヴァイは「お前じゃなくて、ムカデが」と言い忘れた。ステラが涙目になり、ペトラも涙目になり聞いてくる。睨む祖母。朔太郎さんも目付きを変えた。


「…リヴァイお兄ちゃん。…すーちゃんイヤ?」

「…ムカデだ。馬鹿が。」


二人して泣き出す。
「ウワァアアァァン!ごめんべんなじゃいいぃ!!」


リヴァイさんはあ。と、二人を膝に乗せてあやす。兄ちゃんは「馬鹿。」とか、「うるせぇな。」で最近二人を泣かしまくる。

焦るようすもない、リヴァイは子供のあやし方は慣れてきている。
祖母がリヴァイに近寄り頭をごつん。と、どつく。


彼は目で殺す勢いで睨む。

「こんの馬鹿タレ!……アンタの面怖いんだから、いい方を考えなさい!!……全く変わりゃしないね。」


リヴァイは祖母を見上げ、目を見開く。彼女は縁側から上がって一同を家に招き入れる。
縁側の軒下には燕の巣があり、雛が居た。ステラは泣き止み指差す。
燕が言えないから、変になる。


「…あー!ちば…ちばみだ!」

「つばめだよ。」


ペトラが通訳になる。
彼女は、ステラの背後からくっついて指差す。日頃から妹が何をするか分からないからだ。
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