永久のRequiem(中、短編)

□第1話
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「何があったんですか…
 バーボン…」
「それは僕が
 一番聞きたいですよ!」

ジンから組織で新しく作った
薬を試すとの事で
私、バーボン、ベルモット
ウォッカ、ジンが
集まる事となっていたが
等の呼び出した本人達は来ず
来たのは
私とバーボンとベルモット
相変わらず倉庫で
落ち合ったのだが
薬が1錠置いてあって

誰が飲むかとなっていたらしい
ベルモットが半ば無理やり
バーボンに飲ませたようで
私が遅れて来た時には既に
普段私よりも背の高い透が…
コナン君より少し大きいくらいの
小学生サイズになっていました…

「クソッ…ベルモットは
 何処に行ったんですか!?」
「………
(何これ…めっちゃ可愛い)」

とりあえず
ダボダボの服を着せて
おくわけにもいかず
服を買いに行くことになるのだが
幸いなのか車で来ていなかったので透から車の鍵を借りる

「まさか、透の
 RXを運転する日が来るとは…」

他人の車という事や
乗り回してみたいと
思っていたのもあって
不本意だが
ワクワクしてしょうがない

「傷付けないでくださいよ」
「しませんよー」

エンジンを掛けハンドルを握る
「少し遠出しても…」
「駄目です遠出するのなら
 葵の車でしましょう」

チッと心の中で舌打ちをし
とりあえず先に自宅を目指す

「どのくらいで戻るんですか?」
「それは僕が聞きたいです…」
「そう言うのって
 お約束みたいにキスとか
 一日待ったら戻るとか?」
「そうだと良いんですがね」

ブカブカの袖を一生懸命
まくり上げる姿は
あぁ…なんて可愛いんだろう…

「ねぇ…チャイルドシート
 買いましょう!」
「いらないでしょ…どう考えても
 見た目は、コナン君より
 少し大きいようですし…
 葵も知っているでしょうが
 チャイルドシートは5歳…
 厳密に言うと6歳未満が対象
 つまり必要ありません」
「ハイハイ…あ、そうだ
 今日何が食べたい?
 ハンバーグとか?
 グラタンもいいね!」
「日本食がいいです」

不満げに漏らす透を見ては
見た目こそ幼児化して居るが
中身は立派な29歳の透…
いや、降谷零のままらしい…

「で、どうするか
 考えてるんですか?
 その姿じゃ組織の仕事も
 本職も安室透も厳しんじゃ…」
「組織の方はジンの
 した事なんですから
 責任はとってはもらはないと…
 問題は風見に
 どう説明するかだな…」

そう言って考え込む零を
見ていると
コナン君と重なって見えてくる
頭が良いって大変なんだなー
なんて思いながら帰路につく
透の車から降りて
助手席に回り透を抱き抱える
抱えれない重さではないが
小学生くらいの子供がいれば
こんな感じなんだろうかと
少し母親になった気分を味わう

「じゃぁ、洋服
 買いに行きましょうか
 どう言うのがいいかな?」
「女装以外だったら何でも」
「え…」
「なんかスカート
 履かされそうな
 気がしたので…」

え?酷くない?
そんなこと考えてなかったよ…
と思いながらも少し頬を染め
窓を向く透が凄く可愛く
透似の子供がいたら
こんな感じなのかな?
と今の現状を最大限に楽しもう
そう心に誓い車を発進させる

「お昼なんにしようか?」
「コンビニでいいですよ」
「その格好で出るの?」
「葵が買って来れば
 いいじゃないですか…」
「んー…でも一緒に選びたいし…
 服ここのでいい?
 ここ靴も置いてるし」

そこには丁度
子供洋品店があり
そのお店に入ることにする

「じゃぁちょっと買ってくるね」
「お願いします」

そう言って自分のカードを
財布から出すが
いいよと断り

「その代わり何だけどさ?」
「なんですか?」
「お母さんて呼んでね?」
「どういうプレイ…いや…
 むしろ悪意の塊だなカンナ」
「褒め言葉として
 受け取っておくね…
 気温もそんなに高くないし
 窓少し開けておくから
 なんか、あったら電話して」
「分かりました」

そう言って鍵を念の為掛け
店の中へ入る
取り敢えず洋服を適当に物色し
透が好んできそうな服を
チョイスしてカゴの中に入れる

「えっと靴…あぁ、あった」

キョロキョロと辺りを見渡し
靴を見つける

「わー新生児用の靴ちっちゃーい
 可愛いなぁ……じゃなかった
 えっと…男の子用の…
 どれが良いかな…疾足…へー
 今靴も色々あんだね〜」
 
どれがいいんだろう…と
悩みながら売れてますと
書かれた靴をとりあえず購入し
急ぎ足で車に戻る

「ただいま」
「遅い」
「ごめんごめん
 靴が色々あってさ…
 悩んじゃって」

そう言って買ってきた物を渡せば
後部座席へ移動し着替えを始める

「手伝おうか?」
「必要ないです」
「だよねーあ、一様
 下着も買ったんだけどさ…
 無地系が無くって」
「どうせ見せないんで
 気のしなくっていいですよ
 ズボンのような下着より
 マシですから」

くまの絵がプリントされている
下着を手に睨みつけてくる
透が可愛いなぁ〜と
癒やされながら着替え終わり
助手席に戻ってくる

「新品の下着って
 やはり違和感すごいですね…
 洗濯したい…」
「靴のサイズどう?」
「少し大きいですけど
 脱げないので問題ないです」
「そう、よかった…
 じゃぁ、一緒に
 買い物しようね〜透♪」

こうして私と小さくなった透の
短いようで長い一週間が始まる…





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