君を想う

□序章
1ページ/1ページ

このクラスは騒がしい。
鹿島遊という生徒がいるせいもあるだろう
毎回毎回。女子が騒いでいる
神奈は興味なさげに机に頬杖をついて外を眺める
夕方までの日課の様な物だった
夕方を過ぎればロケへ行かなければならないし
たまに、ロケで学校を休むこともしばしば
だが、隣クラスの千代とは仲が良かった

「千代ー」
「あ、神奈。野崎くんあの子が話してた子だよ」
「…梅っち」
「永瀬…」
「え!?えっ!二人共知り合いなの??」
「知り合いもなにも同級生だし」
「だな」

【何なのそのはぶらかし方!?】

と頭の中でツッコミを入れる千代をよそに
神奈は、スマホを取り出し
時間を確認すれば。

「あー行かなきゃ」

そう言い残し、荷物を一通りまとめれば
よいしょと鞄を持ち上げ肩に流し

「先帰るねー」

手短にそう言い残すと
急がねばと、教室に二人を取り残し
しばらく先に止まっている
マネージャーの待つ車へ急ぐ

「あいつも大変だよなぁ…」
「野崎くん神奈の仕事知ってるの!?」
「よくテレビに出てるだろ?なんでバレないんだろ…」

誰もいない午後の放課後の教室で二人だけの会話が零れる

【深々と考え込む野崎くん!カッコイイヨ!!】

なんてことを
この時、千代が思ったことなんて
誰も知る余地がない出来事だった…


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ