VOICE
□歴史書(プロローグ)
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もう一枚めくると、淡々と文字が並んでいた。
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もう何百年もたったこの時代。人は黒く濁った空を見捨て、【夜】という地中に世界を造り、住むようになった。
地上、【朝】に住んでいる者はもういないと言っていいほど少なく、皆が知ってるといえば、【朝】を管理する人達ぐらいだった。
人達は民主主義国家をやめ、天皇が政治を行なうようになった。
つまり、日本の政治は独裁者が決める事になったのだ。この四角い国が。
その影響か、日本も銃を持つようになった。
銃刀法違反も破棄され、不慣れながらも日本は拳銃を持つことになった。
∵そこまでの歳月 約150年∵
その後、ビームガン、ビーム剣(ビームナイフ)など、今の私たちには、ほど遠い武器が造られていた。
世界中で生物実験も行われた。私はその時、それは一つの失敗だったと思っていた。
失敗したものは殺されるか、オリに入れられるかのどっちかである。
そして、それはほとんど後者であったのも一つの失敗であると、私は思う。
そして事件が起きた。
災害と言った方が妥当だろう。
予測よりも、200以上早く、日本中を揺さぶる大地震がおきたのだ。
四角い箱庭のような国、日本が、ほぼ壊滅状態になったのである。
世界でも最先端技術をもつ日本は、もちろん生物実験も行っており、
大地震と同時にオリから飛び出した、生物は地震から助かった人達を殺し、
自らの食糧にさせるほど狂暴だと知ったのは、地震が少しだけ納まってきた時であった。
そして放し飼い状態になった『失敗作』は
日本の土地、三割を、奪い取った形になってしまったのだ。
生物実験が行われていたのは中心部だけであり、
『失敗作』に 知能がなかったのが幸いだったと言える。
私は、この事件…いや災害を、
【生物災害(バイオファザード)】と呼ぶ・・・