めいこい 中編

□ヤキモチ/甘
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ニコニコしながら、よしよしと子供をあやす様に頭をなでられる。

「子供扱いしないでくださいー」


「じゃあ…」

あやしていた手が後頭部に周る。
チャーリーさんを見上げる格好になり、
互いの唇が軽く触れるとそのまま密やかに囁く。


「恋人扱いならいいよね」


返事をする間も無く、噛み付く様に口が開き唇の隙間から舌が入ってきた。
突然の熱さにクラクラする。
いつも以上にきつく口内を犯される感覚に思考が止まりそうになる。
何度もいつまでも絡み、その角度が変わる時に辛うじて息を取り込むが、段々苦しくなってきた。

「あっ…、っふ、チャ…チャーリーさ…んっ」

体勢を崩してベッドに倒れこんでしまった時に、何とか唇を離して大きく息を吸い込んだ。

「ど、どうしたの?」

「どうって、キスしてるんだよ?」

ニッコリと見下ろしながら何でもない様に言う。
彼の長い前髪が降りてきてくすぐったい。

「ん…」

またすぐに唇を塞がれる。
今度は唇の柔らかさを確かめる様に、啄ばむ様に…穏やかなキス。

「だって、芽衣ちゃんにこうしてキスして良いのは僕だけだろう?」

本当に嬉しそうに言う。

優しいキスを受けながらフワフワの髪の毛を触っていると、ふと鏡花さんの言葉を思い出した。

『たまにこの毛まみれ感を確かめたりするけど…』

「ふふっ」

「どうしたの?」

「前にね、鏡花さんがウサギちゃんの事を………、あっ」

首元を舐められた。

「鏡花さんがどうかしたの?」

「………っんぅ、」

耳元に熱い息がかかり、舐められる。

「チャーリーさんっ?」

「こんな時でも他の人の事を考えてるんだ?寂しいなぁ」

とションボリしてしまった。

「あっ、違うの、そういう意味じゃ無くて…」

確かにちょっと悪かったかな…。

「じゃあどういう意味なの?」

「鏡花さんじゃなくてウサギちゃんの事で…

……………っく」

今度は首筋に軽く噛み付かれた。

「だーめ。あーあ、傷つくなぁ」

「ごめんなさい、そういうつもりじゃ…」

「…許さない」

なんだろう?今日は珍しく突っかかってくるというか…

「じゃ、どうしたらいいの?」

「今日は僕の事だけ考えて?だから僕の好きにさせて?」

それでチャーリーさんの気が済むなら…

「…うん」


あれ?


さっきの萎れた感じは何処へやら、ものすごくニヤニヤしてる。

………やられたーっ!
と思っていると、

首元に顔が寄せられた。
鎖骨から首筋、耳の後ろまで丁寧に舐め上げられる。

「あっ…ん、ちょ、ちょっと、チャーリーさん?!」

返事は無く、その間も絶え間無く与えられる刺激にすっかり力が入らなくなる。
ぐったりしているとまた強く唇を塞がれる。
完全にされるがままだ。

「もう余計な事考えてない?」

「……そんな余裕ありません」

プイと横を向くとまた首筋に甘い感触が与えられ、吐息が零れる。

あーあ、すっかりチャーリーさんの思う壺だ。
今、此処に2人でいられるだけで十分なんだ。
余計な心配は必要ない。
甘いキスを交わしながらそう想った。



※終わり※
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