めいこい 中編

□寝ぼけてお風呂に入っちゃダメ/甘
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「じゃ、洗い足りない所はありませんか、
お客様?」

「ある。シャンプー貸して」

「はい。
……っ…と、え?」

シャンプーを渡したら頭を引き寄せられた。
なにが起こったのか分からないでいると、頭にベッタリとシャンプーを塗られていた。

「油断大敵ー♪」

「えー」

「チャーリーさんの頭は私が洗ってあげる」

「えぇ?!別に良いよ。
それより芽衣ちゃんは早く上がった方が…」

「良・い・の。
さっきのマッサージで十分に目が覚めましたから」

ーうん、その満面の作り笑いには反論を認めないって書いてあるね。

「じゃ、服脱いで」

「え?」

「ずぶ濡れの服着て泡だらけって気持ち悪いでしょ?」

「いや、僕は平気だけど…」

「なんか言った?」

「……ごめんなさい」

「じゃあ脱いだらそこに座って」

大人しく指示に従う。

「はい、目つぶって」

さっきと立場がすっかり逆転している。
というよりも……僕は、芽衣ちゃんがお風呂で寝てしまわない様に心配してたはずなんだけど。
なんでこんな事に??

と、考えている間にも頭にお湯をかけられて、丁寧に泡だてられる。
細い指で柔らかくクルクルと頭を洗われているとやっぱり気持ち良い。
たまにはこういうのも良いのかな。

全部終わってシャワーで流してもらうと思いの外さっぱりした。

あれ?芽衣ちゃんがまだ泡だらけだ。

「芽衣ちゃんの流すよ?」

「いい、いい!」

さっきの頭皮マッサージを警戒してるかな。
なら、

「きゃ、ちょっと!」

目の前で頭を振って水滴を飛ばした。
芽衣ちゃんが目を瞑ってる隙に軽くキスをする。

「え?」

「大丈夫。もうさっきのはしないよ。
目は覚めてるんだし?」

「……胡散臭い」

そんなに痛かったかな?すっかり警戒されてる。

「まぁ、いいけど」

壁にかけたままシャワーを出して頭を引き寄せ、尖らせた唇を塞ぐと強張っていた力が抜けるのが分かる。

ちょっとお湯が口に入っちゃうのは仕方無いね。
ちゃんと泡は流せたから問題なし♪






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昨日はお風呂ですっかりのぼせちゃったなぁ。
それにしても、まさかお風呂で寝てしまうなんて自分でも思わなかった。
溺れたりしたらどうするの、とチャーリーさんに後でまた叱られて流石に反省した。

……でも、それならチャーリーさんがいる時にお風呂に入れば良いってことだよね。
もしも何かあってもきっと助けてくれる。


あと、痛いマッサージの仕返しだったけど、寝る時に彼からも私と同じ匂いがして嬉しかったな。

「ふふ」

学校へ向かう電車の中でそんな事を考えた。




※終わり※
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