めいこい 中編

□君と行きたいのは
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3日程休んだらすっかり良くなった。
チャーリーさんは元気になったか心配だと言ってはずっと抱きついて来る。
…流石に邪魔なんですが。


「あぁっその目!真夏に捨て忘れた生ゴミを見つけた時のような冷ややかさが堪らないよ!」

邪魔で更にうるさい…。チャーリーさんは絶好調の様だ。
せっかく、看病してもらったお礼とか思っていたのに調子が狂う。

「あのねチャーリーさん」
顔を赤らめてうっとりとしている所を遮る。

「この間は出かけるはずだったのにゴメンね。
ずっと看病もしてくれてありがとう」

「え?そんな事気にしなくて良いんだよ。
絶え間なく、憐れみ蔑む視線をくれればそれで!」

「そうは言っても…」

「本当に良いんだ…




だって僕は君の下僕なんだから、さぁ靴で踏みつけて…!」

まだ言うか。


「水族館に行きたく無かったの?」

「あぁ、水族館ね。行きたかったけど、水族館でなくても良かったし」

「?よく分からないんだけど」

「君の笑顔が見られるなら何処でも良いんだ。だから水族館にこだわる必要はない」

「えーっ、そうなの?一緒に行きたいって言ってたからてっきり…」

「君が隣にいれば何処だって、そこが僕の行きたい場所さ」

じゃあやたら色々と詳しいのは…

「ふふ。君の笑顔を沢山見る為なら、僕は努力を惜しまないよ?」
もう。満面の笑みでそんな事言わないでよ。

「だから君が謝る必要なんてないんだ。
僕は自分が1番やりたい事をやってるだけなんだから」

そこまで言われると何も言えない。
流石に靴で踏みつける気にはなれないから、抱きつかれていた彼の背中に腕を廻して寄り添った。


「あ、一つだけお願いがあるかな」

「なに?」

「早く元気になってね、心配だからさ」

と額に軽く口付けられた。







※終わり※
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