長編
□第1Q
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*アテンション*
WC決勝で負けてたらと言う仮定で時系列は気にしたら負けなお話です。
それでも良い方は進んでください
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日向side
ウィンターカップ決勝戦のあの日、俺達誠凛は負けた。
原因を振り返ってみると
赤司、無冠の五将である葉山、三渕、根深谷、また思わぬ伏兵であった黛。
越えようもない実力差の壁
洛山高校、やはり最強であった。
しかし、原因はそれだけではない。
何より攻撃の主軸、原点であると言っても過言ではないPG伊月が不調だった。
その事により黒子も火神も動揺し、パスが回らなかったのだ。木吉PGも策として立てるも、常勝を誇る洛山には歯も立たなかった。
試合が終わった後は誰もが泣いた
ただ、1人を除いては
それが伊月だ
「ごめん、皆」
―木吉が今年で最後だと、知っていたのに
―桐皇にはもうミスディレクションは効かないのに
「今年」が一番勝ちたかったのに。
もう一度伊月はごめん、ごめんと、今度は大粒の涙を零したのだ、
その後の部活では誰も伊月は責めたりしなかった。
不調だったのだからしょうがない、と。
何かあるなら自分で解決するんだろうと
原因を聞いても伊月は分からないの一点張りだった、という事もあるが。
それに俺は昔から伊月が他人に踏み込まれるのは嫌いだと知っているから。
それから、数日が過ぎた。
皆も徐々に平常心に戻って、インターハイに向けて練習を始めた頃、木吉はアメリカに膝の治療に行った頃。
そんな頃の部活の帰りだった。
夜、一緒に家に向かって帰っていた伊月が少し俯き加減で口を開く。
「なあ、日向」
夜のせいか月夜に照らされ伊月の顔が照らされ少し眩しくどんな表情をしているのかは分からないが暗いのではないかとその場の雰囲気から感じ取れる。 そんな中でも綺麗、と見とれてしまった。
はっ。そんな場合では無い!と我に変えると少し素っ気なく何時も道りに
「何だよ」と返す。
隣を歩いていた伊月が俺の目の前に立ちはだかり眉と目を下げ申し訳なさそうに俺を見てごめん、日向と呟く。
何の事だと俺は伊月を見返すとその時には既に少し涙目の伊月が俺を見返して口を開いた。
「ごめん、日向。俺、バスケ辞める」