長編

□第2Q
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伊月side


―バスケをやめる。


これが俺の選択だった



ウィンターカップの決勝戦

これは俺が原因。
黒子との連携も、日向とも皆とも全く噛み合わない。

また、もう1つの原因。

それは俺が一番分かりきってた事。
だけど、今はこれを思い出したくない。


この事が原因で部活をしながらも辞めることを考えていた。

居ることが何より心苦しかった

責めてくれた方が清々しいのに、誰も責めなかったり、寧ろ気を使ってくれる後輩が多くて。


でも、このままの俺では、また皆の足を引っ張るから。

何よりもこの気持ちが広がっていた
黒い雲と、一緒のような不安と恐怖のカタマリ。


そして俺は勇気を出して、一歩。
一緒に帰宅していた日向に

「ごめん、日向。俺、バスケ辞める」


と伝えた。


その時には無意識に涙が、目頭が熱くなっていた。

この原因は悔しいからか、自分の無力さに腹が立っているからかは分からないものだったが


そんな事を考えていると日向が

―ふざけるなよ!


と、大声。


俺は困った顔で日向を見返しこう返す


「どうしてだよ?俺はこのままじゃ皆の足を引っ張るだけだ」


その言葉を聞いた瞬間日向が俺を睨み付けた。


「ざけんな!皆仲間だから心配したり責めないでこうやってお前を支えようとしてるんだろうが!」


グサリ。と何かが俺の心に突き刺さり自分の手の体温が下がっていくのを感じ、無意識に視線を下げてしまった。

そんな日向は俺を見てイラついたのか

「少し頭冷やせ、バカ伊月!俺は先に帰る!」


と、怒りながら俺より先へと歩き出したその時。

俺のイーグルアイによってさきにすすむ日向の横から光る何かが近づいてくるのが分かった


だが、それが何か。
気づいたときに、日向、と名前を呼んだ時はもう既に遅かった



車の轟音がすぐ目の前で響いたのだった





ここから、俺の視界は真っ暗になり曖昧な記憶しか残っていない









―俺にもっと広い視野があれば―

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