EXOのBOOK

□密かに想う
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『密かに想う』taokai(Jongin)+Sehun


Jonginは常にTaeminやKyungsooに可愛がられる。
時にJonginはその先輩たちがくれる愛情に
疲れるときもある。

TaeminのキスもKyungsooが触れてくる感触も
嬉しいけれど、特にドキドキするわけではなかった。

ただ一人だけJonginをドキドキさせるひょんがいた。

Taoに初めて頬にキスをされたとき、
Jonginの鼓動は速くなり顔に熱が集まるのを感じた。
Taoがふざけてやったキスだった。
でもJonginにとってはその日からTaoは気になる存在になった。

ダンスの練習をするとき
ミラーに映るTaoに目が行く。
Taoの体は完璧だ・・・と思った。

Taoが汗を拭うとき、息をきらしているとき、
鏡越しに気づかれないように見る。

Taoの無意識な色気にドキリとする。

思わず生唾をゴクリとする自分に気が付き
湧いてくるなんともいえない感情を振り払うように
ダンスに集中することにした。

Taoがなにげなく触れてくる行動は
Jonginを妙な気持ちにさせた。

そんなJonginの反応にSehunはいち早く気付いた。

Sehunは何事もJonginをライバルと思っている。
Taoへの感情を気づかれたのはマズイと思った。

SehunはTaoを自分のものと思っている。
Jonginは最近Sehunの監視するような視線をいつも感じるようになった。
でもそれはますますTaoを意識するようになる原因になった。

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その日は仕事も休みでメンバー達はそれぞれ出かけて行った。
Jonginは体調がすぐれなくて、TaoはSehunとChanyeol3人で
出かけるはずだったが寝坊して置いてけぼりになって
寮に2人だけになった。

2人はリビングのソファでまったりとDVDを見ることにした。

「Jongin、紅茶が飲みたい。」

紅茶をいれるのも、DVDを用意するのもJonginだった。
Taoは本当にわがままで子供だとJonginは思った。
Jonginはふてくされた顔で無言でTaoの要求に応えた。

Taoはソファの上で毛布にくるまり紅茶を飲みながら
Jonginを目で追った。
Jonginはその視線を感じて勝手にドキドキしだす自分の心臓に
イライラした。

DVDをセットしてJonginはTaoの隣に座った。
DVDはTaoのリクエストで韓国ドラマだった。

しばらく2人は紅茶を飲みながらドラマを見ていたけれど
Taoはすぐ飽きてきたらしくアクビをすると、
Jonginのことをじーっと見たり腕にすり寄ったりして
Jonginはまたイラついた。

Taoをチラっと見てはドラマに見入る振りをする。
でもJonginの鼓動は徐々に速くなる。
ドラマの画面を見ていても頭の中はTaoの行動が
気になって仕方がない。

「ねえ、Jongin。」

Jonginは無視する。

「ねえ、なんでさっきからずっと怒ってるの?」

無視し続ける。

「Jongin。」

TaoはJonginの腕に抱き付いて顔をうずめる。

Jonginのドキドキはどうにも止まらなくなって
この鼓動がTaoに聞こえてしまうんじゃないかと焦った。

しばらく沈黙が続いた。

「Jongin。心臓の音、すごい聞こえる。」

Taoがそういった瞬間、Jonginの顔は真っ赤になった。
Jonginを見上げて見つめるTaoの瞳と目が合った。
Taoの僅かに熱った顔を見て呼吸まで速くなる。

「Jongin・・・」

目が合ったままTaoの顔がゆっくりと近づく。
Taoの香水がほのかに香った。
そして唇に熱くて柔らかい感触。

Jonginはフワリと浮くような気分になった。
そしてJonginの手は無意識に動き、Taoの髪に指を絡める。
Jonginは抑えられない衝動にかられて
Taoの頭を力強く引き寄せる。

キスは徐々に荒々しくなる。
絡む舌で甘い紅茶の味を感じあった。

お互い苦しくなってゆっくり顔を離す。
Taoの潤んだ瞳、紅潮した頬、濡れて腫れているような唇に
Jonginは下腹部が疼くのを感じた。

休日の午前の太陽の光がTaoを照らした。
その疼きをどうしたらいいのかわからなくて
JonginはTaoの頭を胸に抱きしめた。

「Jongin・・・怒ってないの?」

TaoはJonginの胸の中に抱かれながら言った。

「うん。」

Jonginは答えた。

「Jongin!」

Taoは嬉しそうに言うと、Jonginの背中に腕を回して
ギュッと抱き付いた。

しばらくそのまま2人は窓から差し込む暖かい光に包まれていた。

そのうち、Taoの静かな寝息が聞こえてきた。
Jonginはそっと抱きしめていた腕を緩めてTaoを見る。
Taoはすやすやと寝てしまっている。
JonginはそっとTaoをソファに寝かせた。

(寝ちゃったのかよ。)

Jonginはフっと笑ってTaoのおでこにでこピンをした。

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リビングのドアの開く音でJonginは目が覚めた。
Taoが寝てしまった後、Jonginもドラマを見ながら寝てしまっていた。

「Tao。まだ寝てるの?」

Sehunだった。

Sehunは入口で立ち止まる。
Jonginと目が合う。

SehunはJonginをじっと見て、不審そうな顔をした。

「え・・・2人だけで居たの?」

Sehunは低い声で言った。

jonginは何も答えなかった。
でもSehunにはこの部屋の空気と
Jonginの目を見て、Taoとここで何かがあったと確信した。

Sehunはドスンドスンと音をたてるようにソファのそばにに行くと
寝ているTaoを叩き起こした。

「Tao!出かけるよ!」

無理やりTaoの体を起こし寝ぼけたTaoの顔をぺちぺちと叩いた。
Taoは寝ぼけてSehunを見上げた。

「何?Jongin・・・」

寝ぼけたTaoはSehunに向かってそういった。

Sehunは明らかに怒った。
Jonginはそう思った。

Sehunはへの字口になって、Taoの腕をむりやりひっぱり
リビングから引きずり出して行った。

(あー、まいったな。)

JonginはまたSehunの痛い視線攻撃に悩まされることになりそうだ
と予想して溜息をついた。

(まったくTaoは無意識に罪を犯すやつだ)

END

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