BOOK テニスの王子様3
□乾×海堂01
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今日もブーメランスネイク会得のため、手ぬぐいを手に川に行った海堂の後を追った。
「大分良くなってきてるぞ」
「……」
無言で鋭い視線を寄越す海堂に苦笑して、改善されたデータを書き直す。
こうなる確率は86%だった。
分かっていながらも、何か返事をくれるのでは、と思ったいた自分がまだ甘い。
それにしても……
「すごい成長だ」
この調子だと、都大会までに会得は可能ではないか。
確率は……
「乾先輩」
頭の中で算盤を弾いてる途中に声をかけられて、計算式は消えた。
「アンタ、自分の練習はしなくていいんスか」
フシュゥゥゥ……と鋭く出される吐息。
「練習は勿論、しているよ。これはデータ収集だ。やっと海堂がパートナーになることを同意してくれたからね」
休憩、とばかりに海堂は水を蹴散らしてこちらへ来た。
重くなった手ぬぐいは、ペットボトルのそばへ投げられる。
「数値が大幅に上昇している。俺が見ていないところでもかなり頑張っているようだな」
「…当たり前だ」
鋭い視線が俺を貫く。
俺の視線は…水分の摂取で動く喉と、汗が伝う躰のラインを見ていた。
「海堂、こっちへおいで」
怪訝な表情で首を傾げる海堂の手を引いて、橋の下へ誘【いざな】う。
影の中央、なるべく目立たないところで唇を奪った。
「いけないな…」
「ッ何、すんだテメェ!」
怒声を紡ぐ唇を、今度はやんわりと塞ぐ。
「そんな格好をして…俺がどう思うか、海堂が分かっていない確率、72%」
「んな…ッ」
そして俺が欲情する確率は100%だ。
舌を絡めながら、きっちり反応している下半身を押し付ける。
「ンッ…」
キスで理性を崩してやると、海堂の眸【め】は鋭い猫のものから、濡れた仔犬の眸【め】になる。
「せんぱい…」
無意識に色香を漂わせて誘う海堂に、土手に手を突くように指示した。
ハーフパンツと下着を一緒に下ろして、尻の割れ目に舌を這わせた。
「やめ…ッ」
「手遅れということは自分でも分かっているはずだよ」
固く閉じた蕾を舌先で突付く。
執拗に舐め続けると、だんだん襞が綻んでくる。
「く、ふっ…ふしゅ」
「すまない海堂…今日は少し性急だ」
手早く自身を取り出して、蕾に宛がう。
唾液と先走りだけが潤滑剤だ。
「息を吐いて……」
「は…っ、あ゛っ」
鋭い目から大粒の涙がいくつも流れる。
すべらかな背中に口付けを何度も落としながら、小刻みに腰を動かして奥へと進める。
「相変わらず、すごい締め付け…だな」
小さな喘ぎ声を漏らす海堂に囁いてやると、どくりと胎内【なか】が蠢く。
海堂自身を手中に収れば、それだけでカウパーが俺の手を濡らす。
カウパーが結合部にまで垂れてきて、もう大丈夫か、と腰の動きを激しくした。
「くふっ…ふっ…、ん、」
仔犬が鳴くような喘ぎ声が、橋の下という不気味な空間に響く。
「可愛いよ…」
「は…先輩…俺、もぅ…」
「分かった」
鈴口を指先で刺激してやると、手の中のモノが弾ける。
それと連動するように胎内【なか】も蠢いた。
「く……っ」
襞が纏わりつくように動いて、堪えきれずに俺も吐精した。
◇ ◇ ◇
「バカかアンタはッ!」
低い怒声が響く。
海堂は立ち上がって拳を振るおうとしたが、ペタリと地面に座り込んでしまった。
「中に出しやがって……」
「ごめん、海堂」
「場所を考えやがれッ」
「とりあえず…」
家においで?
耳元で低く囁くと、肩がビクリと震えた。
「このままじゃ家に帰れないだろう?」
「……っス」
今日は母さんがパートの日。
『あわよくば』が成功する確率は92%だ。
END
2012/12/29〜2012/12/30
誕生日のリア友に捧ぐ。