BOOK 黒子のバスケ3
□赤司×緑間01
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「真太郎、」
色の違う赤い目が、オレを捕らえた。
約20cmの身長差は、オレが椅子に座らせられたことで逆転して、赤司が顔を近づけてくることによって小さくなる。
その差が完全になくなる前、オレと赤司は唇の上で互いの名前を呼んだ。
「なぜ拒もうとする」
お前は僕のものだろう?
そう、紅い唇が魔毒を吐く。
確かにオレは赤司征十郎が好きだった。
今も好きだ。
だがそれは、今オレの目の前にいる赤司征十郎ではない。
「同じことだ。以前の僕も、今の僕も、赤司征十郎だ」
違う。
お前はオレの知っている赤司では――
つっかえ棒の代わりになった腕に、力を込める。
明確な拒絶を示す前に、素早く赤司は唇を合わせてきた。
唇のやわらかさも、舌の熱さもオレが知っているものと同じで。
絡まった舌から、毒を飲まされた気がした。
END
2014/05/20