BOOK IDOLiSH7
□楽×大和01
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無駄に整っている顔が、ニヤリと笑った気がした。
あ、何か嫌な予感するんだけど。
「ちょ、おい、八乙女……」
咄嗟の制止は間に合わなかった。
床に打ち付けないように手で後頭部を支えられながら押し倒されるという、高等技術。
「……そーいうのは女の子にやってくんない?俺にもお前と同じものがついてるんだけど」
「女にやっても意味ないな。お前だからだ」
「お兄さん男に押し倒される趣味はないんだけど」
「誰がお兄さんだ。俺と同い年だろ」
そんな趣味がないというのなら、これからお前に持たせてやるよ。
まるで悪人みたいに笑う顔は、ステージ上とはまったく違う、年相応の男の顔で。
「……見惚れたか?」
「ジョーダンだろ?」
「まあいいさ、これから惚れさせてやるよ。本気で手に入れたいと思ったものは、どれだけ醜く足掻いてでも手に入れる主義でな」
「俺が獲物か?」
「当たり前だろう」
覚悟しとけよ?なんて言われて、唇の端に触れるだけのキス。
それを嫌だと思わない程度には、もうお前に捕まっている……なんて絶対に言ってやらない。
(せいぜい俺の手のひらの上で転がっていろよ)