Novel
□来年もずっと。
1ページ/6ページ
『大晦日』
「ちょ、お前食い過ぎ!!!」
「あ"!?お前もいっぱい食ってんだから
いーだろ!」
「あぁあ!うるせぇなお前等!人の家で騒ぐなっ!」
日向君と影山君がお鍋の具の取り合いをしていると鵜飼コーチがお玉を振り上げた。
「ちょっと日向も影山も静かにしろ!
紅白が聞こえねぇだろ!」
それを見て田中君も喚く。
田中君が振り上げたリモコンと鵜飼コーチが振り上げたお玉が日向君と影山君の頭に振り下ろされる。
ガツンという音共に「「いってぇぇぇっ!!!」」と言う日向君達の声が部屋に響いた。
「茜先輩、年明けこんなんでいいんですか?」
こたつの中で笑っていると隣に座っていた月島君に問われた。
「うん(笑)今すっごく楽しい♪月島君は?」
「それならいいんですけど…まぁ僕は茜先輩が楽しんでればいいですよ。」
「優しいね、月島君(ニコッ」
「そんなことないです…あ、僕飲み物
取ってきますけどなんかいりますか?」
「じゃあ…寒いから甘酒飲みたいな。」
「わかりました、持ってきますね」
「ありがとう♪」
私が月島君に手を振っているとチャイムが鳴った。
《ピーンポーン…ピーンポーン…》
「あ、スガさん!!?」
瞬間、日向君はぱあぁっと顔を輝かせ玄関に走る。
「おい、抜けがけするなっ!!」
その後を影山君が追いかけた何秒後かにドシャーンとあらゆる物が崩れ落ちる音がした。
「うぁぁあ!お前らダンボール崩すんじゃねぇよ!」
「「さぁせんっ!!!」」
鵜飼コーチが叫んだかと思うとまたドタバタ足音が響きガチャンっとドアが開く音がした。
「「スガさんっ!」」
「お前ら、外まで音聞こえてたべ?少しは落ち着けよなー(笑)」
此処からは見えないけれど聞こえる菅原君の声。
気がつけばいつの間にか月島君が隣に
戻ってきていて、私の右側に座った。
「鵜飼コーチも災難ですね。変人速攻コンビ暴れすぎ。」
「そうだね(笑)今も忙しそうにダンボール片付けてるよ。手伝って来ようかな…」
私は月島君から貰った甘酒を飲みながら廊下に目をやる。
「行ってもコーチは女の子に手伝わせないと思いますよ。てか今日でこの家あいつ等に壊されるんじゃないですか。」
「そっかぁ、確かに。行っても邪魔になるだけかもしれないし、やめとこ。」
-どんがらがっしゃーん-
「ほんと、壊れちゃいそうだね(笑)」
私達が話しているとまた何かが崩れ落ちる音がした。
「ボゲェ日向!お前のせいで片付けが増えたじゃねぇか!!」
「日向ぁ、よそ見して歩くからだべ。
(笑)」
部屋の中に涙目でおでこを抑えている日向君と怒鳴る影山君と共に菅原君が入ってくる。
菅原君は「さっみぃー」と言いながら左側に座った。
「なんの話してるの?(ニコッ」
「日向君と影山君が今日この家壊しちゃいそうだねって話(笑)」
「なにそれ(笑)流石にそれはないべ
(笑)」
「わかんないですよ、あいつ等は。
ね、茜先輩(笑)」
「そうだねー(笑)」
「おいおい、あんまりそこ2人で仲良くするとスガがヤキモチ妬くぞ(笑)」
「あ、旭っ!俺はヤキモチなんか妬かないべっ!///」
「ツッキー、先輩の彼女とったらダメだよ(笑)」
「黙れ山口。」
「ごめんツッキー☆」
皆の話を聞きながら甘酒を飲んでいるとだんだん瞼が重くなってきた。
「なんか眠くなってきた…」
どんどんバランスがとれなくなってきて結局菅原君の肩にもたれかかってしまった。
「えっ、茜ちゃん!?ちょ///」
驚きながらも左手で私の右肩を支えるようにしてくれる。
「ごめん、菅原君。なんか凄く眠い…」
「俺は別いいけど…//」
好きな人の肩に額を当て、好きな人の香りでいっぱいになり恥ずかしい。
でも眠気は全く消えずにそのまま意識は消えてしまった。