OP連載

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最終的に美食の町以外にも2つの島を回ってみた一行は、大満足でW7に戻って来ていた。
中でも、シノとベポが一番満足したのはやはりプッチであったことは言うまでもない。


「あの海王類のお肉…W7にもいるのかなぁ」


海を見て、肉を思う女。
何とも色気がないが、これはある意味仕方のないことでもあった。
何しろ、ハートの海賊団の船に乗って、ベポとの出会い以外でシノが得したと思えることは一番が食生活だったのだ。
空島では動物達は家族であり友達。
家族の肉は食えないので、自然と果実などの植物か魚中心の食事だった。
穀類は、自生しているものがごく僅か。
それらを時々火を通して食べていたくらいで、真っ白のごはんや焼きたてのカリカリふわふわパン。
ちゅるっと食べられる麺類。
全てが遠い過去の幸せだった。

お肉とご飯…それが今のシノの何よりのご馳走であった。
空島にいた頃は知らなかった海獣の肉の味が、また何ともシノの胃袋をガッチリ掴んでしまったのも大きい。


「また食べたいねぇ」

「おれは東の海(イーストブルー)産のエレファントホンマグロが忘れられないよ」


そうやって味を思い出しているのだろう。
この2人、実に幸せそうだ。
とても海賊には見えない。
かろうじてベポのツナギのシンボルだけがそれっぽさを出しているが、着ているのは白熊である。
現実味がない。


「食い物のことははいいから、お前らはぐれるなよ」

「アイアイキャプテン!」

「アイアイ」


現実味、ローがやって来て注意を促す。
彼らは今しがた海列車を乗り継ぎ、W7に戻ってきたばかりであった。
プッチの余韻に浸る2人を連れ、ローたちはブルという水路を進む不思議な動物に乗ってドックを目指す。
丁度約束の1週間にあたる今日、船の様子の確認をするためだ。


1番ドックに着くと、もうペンギンたちがいて、大きく手を振っていた。


「「キャプテーン!!」」

「お帰りなさーい!!」

「W7も楽しかったからなー!!ちっとも羨ましくなんかねーぞぉ!」

「水水肉とか超うまかったしな!水水アメとかなー!」

「修復も終わったそうです!!」


ローたちの到着に騒ぐハートの皆であったが…


「何かとけこんでるな」


と帰還組みを代表して、ベポが言った。


「似たような格好の奴らばかりだな」


ツナギを着ていないローが、見えづらい仲間にチッと舌打ちする。
同じく私服のシノは、心の中で(え?あんたの海賊団でしょ…)とツッコミを入れた。
まさか、船内の様子を確認している間に、自分にも彼らと同じツナギがサプライズされることになろうとは、露と知らず…。
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