OP連載

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潜水艦を停泊させた沿岸に待機していたハートの海賊団は、海王類を倒して泳いできた冥王との再会に圧倒されていた。
シノは、元気なおじいちゃんだな、とズレたことを思っていたが、これが世界の常識だと思ったら大間違いだ。
こんな老人がゴロゴロいたら、世の中もっと恐ろしいことになっている。


やがて冥王の目的がルフィと知ったローは、ずっと持っていた麦わら帽子を彼に預けると、出航を告げた。
すでに必要な処置は終えているので、ここにいてもすることがないのは確かだ。

シノはハンコックに別れの声を飛ばし、また残念がる彼女の声を聞いて、何だかふわふわとしたような嬉しさを覚えていた。
ハートの仲間に感じるものとは違う、もっとささやかで軽快な喜びとでも言おうか。
レイリーはそんな少女に気づき、頬を緩める。


「やあお嬢さん」

「!」


いつも通り音速でベポの後に避難したシノは、それすらも見透かしているだろう老人を恐る恐る見る。


「そう怯えないでくれると嬉しいのだが…いや、そこも愛らしいが」

「あんたロリコンかっ!!」

「冥王はロリコン!?」

「いいや、私はもう少し育ったほうが好みだ」

「「真面目に答えられた!!?」」

「ねえキャプテン、ろりこんって何?」

「おれに聞くな」


もう少し育ったほうが、という言葉に目に見えて警戒を解いたクルー達。
育ち終えた立派な大人であると自負しているシノは、イラッとした。



「面白い能力だね。オークション会場で海軍の足止めをしていたのは君か」

「……」


シノは逡巡した後頷いたが、人見知りにはもうそろそろ限界だ。
半分だけ出していた顔を引っ込め、シノは完全にベポの背中に張り付いて、いないフリに努めている。
厄介な相手を前に、ローは大太刀を手にして言う。


「冥王がうちのクルーに何か用か?」

「そう警戒しないでくれたまえ。そういうんじゃない。ただ……彼女は私の知り合いと仲が良いようだと思ったものだからね」


老人は、さぞ立派になったであろう3人の少女達を思い浮かべていた。
どうやらルフィを救ったトラファルガー・ローの仲間が、そのうちの1人であるハンコックと繋がりを持ったのだと知って、この後の再会がより楽しみになったのだ。



大太刀を収めたローはこの人騒がせな老人と早々に別れることにし、ハートの海賊団は女ヶ島を後にした。



「冥王が何をする気か……”D”はまた必ず嵐を呼ぶ………へへ…」

「キャプテン嬉しそう……?」


冥王の訪れをけして歓迎していたわけではないはずなのに、何故か機嫌の良さそうなローを見て、シノは首を傾げた。



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初の人間の女友達ゲットな管制官。
蛇姫にとっても初めての女友達だと可愛い。
ベポとかルフィのいいところを語り合うといい。
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