OP連載

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王宮内で一騒動起こっていた時分、地下では交易港と工場の2箇所で大規模な混乱が起きていた。

まずはウソランド率いる小人達VSシュガーとトレーボル。
タタババスコの実を食べさせるという作戦はあっさり見破られ、ロビンもオモチャにされ記憶から消されている。
小人達も全滅に近く、ベタベタの実の力で拘束されたウソップは虫の息。
ニタニタと笑うトレーボルと適度な距離を保ったシュガー側の勝利が、ほぼ確定していた。


「べへへ〜〜んねーんねーお前ら………んん?何かあっちの方騒がしくねェ?んねーんねーあっちは工場だーんねー」

「そうね。あとはこいつを殺すだけだし。行って来なさいよトレーボル」

「べへへへへっ!!おれがお前なんかの言う事聞くわけねーだろーべへへへへ!!ちゃんと終わらせてから行くよォ〜〜じゃねェとドフィに顔向けできねェからな〜〜ね〜ドフィ〜〜?」

『その通りだトレーボル。シュガーを連れて早く王宮に来い!!工場へはジョーラとラオGを行かせてある』

「あ!あんた若に連絡…!」

『シュガーもくれぐれも油断するな!』

「はい…」


ガチャ、と電伝虫が瞼を閉じる。


「だ〜ってェ〜〜べへへへ!」

「ウザイ死んで!」

「べへへへへへ!!負け惜しみ笑う〜〜〜っ!!笑いすぎて鼻出る〜〜〜!!!」


トレーボルの全てに心底ムカつきながらも、汚らしい身体に触れる気にはならず、シュガーは「ふん!」と鼻息を荒くしてタタババスコの実を摘んだ。
跪いたまま動けないウソップの口に、ひょいっとそれを入れる。


「死になさい」


この行動が、ドフラミンゴ王政始まって以来の最大最悪の事件の引き金となろうとは、露と知らずに。




―――それから僅かに時を遡り、もう1局の工場内部にて…



「役に立たなかったな………ビーム」

「うるせェ!!これを見てまだそれを言うかてめェ!!?」


ビームや砲撃で工場の内部を火の海に変えているフランキーは、ラオGをバラして悠然と佇むローに噛み付くが、どこ吹く風である。
結局海楼石製の工場の入り口は自慢のビームでは風穴を開けられず、小人達に中から開けさせたのだった。


「待ってくださいフラランド!!」

「あん?」

「マンシェリー姫がまだ見つからないのれす!!だから壊すのはちょっと待ってください!!」

「とは言ってもよォ…」


フランキーは足元でちょろちょろと必死に言う虫…じゃなく、小人を「弱ったな…」と見下ろす。
うっかり踏み潰しそうだ。
既に”スマイル”をはじめとした、中の木々や薬剤は轟々と燃え滾っており、今更少し手を休めたからといって後の祭りである。


「お前らその姫を人質にされてたんだろ?居場所に心当たりはなかったのか?」

「そっそれが…姫の部屋だと隔離されていた場所にはいなかったのれす!!!今みんなで工場の中を隈なく探しているのれすが」

「ならここにはいねェんだろ」

「連れ出されたか…騙されてたかだな」

「えーーーーっ!!!??」


こんな時……と思い浮かんだ顔を、詮無き事と振り払うロー。
小人達は工場で倒したドンキホーテファミリー達に姫の居所を聞いているようだが


「しっ知らねェんだおれ達も!!そこにいると思ってたんだよ!」

「そうなんれすか…!」


フランキーに速やかな破壊をさせたかったローは、姫の居所について突き止めてやるからと買って出たはいいが、あまりにお粗末なやり取りに眉間の皺を深く刻んだ。


「あ!ローランド!」

「どけ……おれが代わる」

「へ?」

「おい。ここに小人の姫はいねェんだな」

「(!!?トットトトトトトトラファルガー・ロー〜〜〜〜!!???)ヒッ…!!ひゃい!!」


縛られたまま、かつて自分たちを鞭打っていた男が背筋を伸ばしたのを見て、小人達は「おお!!」と感心する。


((((これぞヒーローの威厳……!!!))))


またの名を、武力と権力笠に着た恐喝とも言う。


「ならどこにいる?」

「いっいいいええ!!おれ達のような下っ端にはっ何も知らされてないんです!!おれ達もここにいるんだと…本当です!!!」

「……それは天地神明に誓ってか?」

「ハハハハハイッ!!誓って!!!誓って何も……!!」


本当ですゥーー!!と鼻水垂らして言う男に、ローは「そうか…」と腕を組む。
組んだ腕の片手には、四角く切り取られた薄紅色のナニかが握られていた。
さっと顔を青くして自分の胸元を見た男の物分りのよさに、ローはニヤ、と口先だけで笑みを作る。


「もう一度だけ聞いてやる……―――心命(しんめい)に誓ってか?」


「(ソレ……”シンメイ”違イマスヨネ………!!!!)」
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