OP連載

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小人達(+ウソップ)、レベッカがロビンの咲かせたネットを半分程登った頃、コアラ達をすり抜けた賞金目当ての男達がその腕に足をかけようとしていた。


「うそ…まだロビンさん達も来てないのに……!!」


気配を感じて下を見たレベッカが焦りを感じて登るスピードを上げようとするが、こちらには動けないウソランド、もといウソップがいる為、どうしても彼らの歩みが遅くなってしまっているのだ。
置いてはいけない。
けれど、元々体格の違う小人達がウソップを登らせるのは難しかった。
平地ならまだしも、足場が悪い。
ロビンの腕を咲かせたネットの隙間は、小人達には神殿の柱と柱の間並に大きく遠いものだろう。


「ヒィイイイ〜〜〜何か来たァ〜〜〜!!!」

「くっ」


レベッカは片腕でバランスをとり、もう片方の腕で背中の剣を抜いた。


「今度は私が…!」

「レベッカ様!!」

「カブさんはマンシェリーを連れて先に上へ!!」


カブは苦渋の決断をする。
イエローカブ達にも足止めをさせながら、マンシェリーを背負ったカブは王の台地の頂上へ向かって飛んだ。
スカーレットより受け継いだ面差しを、皆今度こそ亡くしたくないと願っているのに。
だが今は…マンシェリー姫を再びドンキホーテファミリーの手に落とさぬ事が、何よりも大事なのだ。


「みんな!!レベッカ様を頼んだぞ!!!」

「任せろ!!」

「レベッカ様とウソランドは僕達が守るれす!」

「カブさんこそ姫を頼んだれすよ!!」


イエローカブやピンクビーで目眩ましをしながら、登ってくる敵を落としていく小人達。
なまじ的が小さく、不安定な足場と高低差による有利から後続を断つ事には成功しているが、問題はいつまで続くかである。
後続を断つ事にばかり注意がいってしまい、レベッカ達の足も止まってしまっている。

デリンジャーの素早い攻撃を避け、体勢を立て直した所でその状況を見たロビンが、下から3分の1程度のネットを消した。


「うおわ〜〜〜っ」

「落ちるうううう!!!」


「さっすがロビン!」


小人達にどうにか掴まれているウソップは、気づいて敵を追い払ってくれたロビンに歓声を上げた。


「ちっくしょォ…!!」

「きゃあ!!」

「ああ!レベッカ様ァ!!」


消えていく足場から、一か八か飛び上がった男の1人が、レベッカの足を掴んだ。
小人達が引き離そうと攻撃を仕掛けるが、男は腕を離そうとしない。


「っぐ痛ェっ!!このチビ共が!おれは絶対この腕を離せねェぞォ!!!おれが落ちる時はこの女も道連れだァ!!!」

「っぐゥ!」


持っていた剣で男を攻撃しようとするレベッカだが、レベッカの足にしがみついている男の丸くなった背には、大きな斧を背負われていた。
金属が鳴る音だけが、無意味に響く。
小人達は力が強い分、衝撃でレベッカごと落としてしまいそうで動けない。



「――――そう…なら……上へ飛ばしてあげるわ」


呟きは遥か下から―――2頭の鯨がレベッカ達を攫う。


「”目鯨”!!!」



「きゃあああっ!!!」

「うがあああああああーーー!!!」

「レベッカ!?」

「「「「レベッカ様ァ!!!」」」」


ウソップや小人がレベッカを案じ声を上げる。
1頭目の鯨はまっすぐ男に体当たりし、男を弾き飛ばす。
絶対に手を離さないと豪語していただけあり、レベッカも巻き込まれて飛ばされそうになったところを、一緒に登ってきていた2頭目の鯨がすかさず頭の上に乗せて空を登り続ける。
王の台地の頂上が見えたところで不時着しようとした鯨から放り出されたレベッカは、衝撃に備えて身体を小さく固くした。
どこかに背を打ちつけたと思ったら、衝撃はそれ程でもなく、おそるおそる目を開けたレベッカは、目前の顔を認識した途端、ポロリと涙を零した。
徐々に見開かれていく瞳と最後に相対した時は、無粋な仮面越しであったな、とリク王は目尻の皺を歪ませた。


「怪我はないかレベッカ」

「…っじ、おじい様!!おじい様ァ!!!」


己を抱きかかえる屈強な肉体が誰のものであるか理解した途端、レベッカは涙を堪えきれず首に両腕を回した。
亡くした娘と同じ色の髪を撫で、リク王は大きくなった小さな身体を抱きしめた。



―――王の台地の接触面、ちょうどコロシアムの頂上あたりから身を乗り出したヴィオラは、その光景を見届け笑うと、涙が零れる前に王の台地側へ戻ろうとし、


「ヴィオラ様!!!」


己を呼ぶ懐かしい声を振り返った。



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アニメでウソップを背負っていたのはハックだったかな?
小人達だと難しかったはず。
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