OP連載

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嬉しい報せと再会に沸いたハートの海賊団の仲間達に程よく酒が入った頃、アルコールがちっとも顔に表れていないローが言った。


「そろそろ行くぞ」




「う〜〜っ!!まだ飲み足りねェよォ〜〜」

「仕方ねェだろ〜キャプテンが行くっつーんだから」

「あ〜この感じ…!懐かしィ〜」


ローのあの一言で中断となった宴が名残惜しい仲間達の足は、少し重い。
しかし、前を歩くローについていくにつれ、段々と足取りが軽くなっていくのは、ひとえに船長を愛するが故である。
離れていた分だけ、この傍若無人も嬉しく感じるらしい。


「これが調教というやつ…?」

「あ?」


何でも…と首を振るシノ。
飴と鞭だとか、放置プレイとか、そんなの考えてないったらないのだ。
ただ、皆好きだなァ…とは思っている。
何がとは言わないが。


「船団の件もだが…早めに話し合っておいた方がいい。しばらく身を隠せるはずだったここも長居できそうにねェからな」

「うん」

「「「「はいキャプテン!!」」」」

「皆嬉しそう…」

「そりゃそうだよォー!」


シノの呟きを拾ったのはローではなくベポで、シノは頭に、懐かしい肉球の感触を感じて頬を緩めた。



********



「そうだ紹介しにきた―――ウチのクルー総勢20人だ!!」

「+(プラス)私」

「「「「お見知り置きをォ!!!”麦わら”ァ!!!」」」」


決めポーズする仲間達の前、こっそりローの横でピースするシノ。


「おう!!」

「話があるんだ」

「んん」

「終わり!!?」

「だよねー」


目玉を出して驚くベポには悪いが、キャプテンてそんなもんである。

「ぞんざい!!」とブーイングするのに忙しい仲間達とは違って、シノはミンク族を観察するのに夢中だ。
ベポみたいな人(?)達がたくさんいるのである。
意思疎通の叶う動物達がたくさん…天国?


「ベポ君…ここ素敵…!」

「おれらぞんざいっ!!……っえ!?」


キラキラした目の妹分は、頬をぽーっと染めてベポの腕に半身だけ隠れると、嬉しそうに小さく手を振っていた。
誰と…と思って見てみると、そこにはベポと同じミンク族の女性達がいた。
気に入ってくれたようで何より…と思って再度妹分の視線の先を辿ると、そこには女性達――ではなく侠客団(ガーディアンズ)がいた。


「ベポの仲間か!?」

「可愛いなァ〜!いくつだ?」

「ガルチュー!」

「わァーーッ!!!ダメダメダメ!シノにはキャプテンというものがァーーー!!!」

「?」


ガルチューしようとする男達の壁になり、必死にそれらを押さえようとするベポを、シノが不思議そうに見ていた。


「……がるちゅ?」


って何だ。


「「「ガルチューさせろー!!」」」

「ダメ!!いいけどダメーー!!」

「「「いいならいいだろォ!?」」」

「ダメェーーッ!!!」


挨拶は悪くないけど!
けど!だめなのだ。
ベポはトラファルガー・ローという男をよく知っている。
理由はそれで充分だった。
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