ニュートリショニスト!(幸村連載)
□3.mission?乾汁の情報を掴め!
1ページ/11ページ
※*マークで目線が変わる場合があります。
*
「乾汁を論破したときの話?」
横で赤くなっていた彼女が俺の思い出話に再び復帰した。
「そうそう、覚えてない?青学に行って乾汁のレシピの一部を貰ってきて、あきらかに言ってることとおかしいって言うのを説明してくれたって真田が…。」
「………! ああ。あの誇大レシピですね。詐欺ですよ、あれは。」
ちょ…誇大レシピって……(笑)
思わず俺は吹き出す。
話の件を思い出した彼女は、すかさずレシピを揶揄した。
すこし冗談だろうと思っていたが、論破(というのはすこし大袈裟かもしれないけど)したというのはどうやら本当のようだ。
この子の知識の幅はどこまで広いのだろうか……
「でも、なかなか楽しかったですよ。レシピ持ち帰って、一部、レギュラーの人にも飲んでもらいましたし。」
そういえばそんなこと言ってたな。
というか今、気が付いたけど、夏休み明けに蓮二と乾が作った炭酸系乾汁で立海のテニス部が地獄絵図になっていたけど、乾汁の被害はあれで2回目だったのか……。
そう思うと、本当にうちの部員は乾汁に免疫ないなあと苦笑する。
「あらためて、あの時の話もう一度聞きたいし、せっかくだから、青学でレシピをもらった時の話も聞かせてくれるかい?」
「あ、いいですよ。でも、あれ、いろいろ大変だったんですよ…。」
青学に行ったのは彼女一人だったらしいので、真田の話では、レシピをもらう際の話は分からない。
俺は、真田の話を思い出しつつ、彼女の話に耳を傾けた。