ニュートリショニスト!(幸村連載)
□2. ブン太と仁王とカロリーと。
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「そういえば、これ覚えてる?」
俺は本棚から1冊の本を手に取り彼女に見せた。
「覚えてる?って、そ、それは……」
「俺、入院中に君がこれを持ってきたときめちゃくちゃ衝撃的だったんだけど。」
「だ、だって、精市先輩、図鑑みたいにじっくり眺められるようなものだと嬉しいっていうから……ちょうどいいなって思って。」
彼女がおそらく真っ赤になって照れているのは、これを受け取った時の俺の反応がほぼドン引きに等しかったからだろう。
つまり言うと「やらかした」わけで、消したい黒歴史なのだ。
「いや、でも、これが衝撃的だったから、俺は君にぐっと興味が沸いたんだけどね。まあ、衝撃的だった割に面白かったけど。」
俺はその本をペラペラとめくりながら、その当時の記憶を振り返った……。