春の月

□知れば迷う恋の道
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見ているだけでよかったのに…






ただ、近くにいるだけで…






なのにどうして…








こんなにも求めてしまうのか…











土方「……い!……おい、聞こえてるか亜美!」

亜美「あっ…土方さん…」

土方「何ボーっとしてんだ。具合でも悪いか?」


そんな優しくしないでください…


そういうわけじゃないのに…


期待、しちゃうじゃないですか


亜美「大丈夫ですよ!それよりどうしました?何かようですか??」

土方「大丈夫ならいいんだ。…千鶴の手伝いしてやってくれないか?さっき一人で隊士の洗濯を大量に持っててな。」


また、千鶴ちゃんですか…



千鶴千鶴って。貴方はほんとに千鶴ちゃんのことしか頭にないんですね…私のことなんかこれっぽっちも…



亜美「わかりました!行ってきますね」

土方「おお、よろしく頼む」


はぁ…胸の奥がズキズキする……人の気も知らないであんなに笑顔で話して…



沖田「亜美ちゃん」

亜美「…なんだ沖田さんですか」

沖田「なんだって酷くない?どうしたの?って聞くまでもないね、また土方さんに千鶴ちゃんのこと手伝ってって言われたんでしょ」

亜美「そう…もう…やだ…」


あれ…なんで私、泣きそうなってんだろ…涙が…


沖田「…亜美ちゃん。もうさ、苦しむのやめようよ。あんな人のために苦しむ必要ないよ。…僕じゃだめかな?土方さんみたいに傷つけたりしない…君を一生守ってあげるよ」


そう言って抱きしめてくれた沖田さんの腕の中はとても暖かくて心地よかった…


亜美「沖田…さん…ありがとうございます…でも、私…」

沖田「少しずつでいいから、僕いくらでも待つよ。だから僕を選んでよ」


なんでそこまで優しくしてくれるのだろうか…心が揺らいでしまう…

でも私は土方さんが…


沖田「このまま土方さん好きでいても傷つくだけだよ?」


そうだ、そのとおり。
私が好きでもあの人は一生振り向いてくれない…

なら…


亜美「…時間かかるかもしれませんがよろしくおねがいします!」


沖田「うん。よろしくね」


ふわっと笑う沖田さんの笑顔はとても綺麗で優しかった

この人なら…きっと幸せにしてくれる


そう思った

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