ごった煮


□誕生日だからって以下略!
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 こんな感じで、俺達六つ子は霊能者だった。だから怪奇現象にはチョイチョイ巻き込まれている。まぁ、基本的に俺とおそ松が全部片づけてるんだけど。流石に十四松には危ないことはさせたくない。家族だけに集中して欲しい。だから、俺は中学のころから徐々におそ松と行動を共にすることが増えていた。今回のデカパン博士の件もそう。デカパンが俺に片づけを依頼するときは大体が荷物の浄化とかしてほしい時だし、そういった関連で依頼がある時が多い。実は今回はその両方だった。取りあえず片づけから先に済まして、依頼を聞こうとした矢先、俺は巻き込まれてしまったわけだ。

 『神隠し』というものに。

 黒い何かに包まれて、目が覚めた時には俺は『おそ松さん』の世界に立っていた。おそらく"私"が知ってる『おそ松さん』だ。テレビで見た通りの六つ子が目の前に六人揃っているのだ。訂正、ルックスはF6に近い。俺達もそうなんだけど、此奴らも普通の常識を身に着けていれば絶対にモテる筈だ。クズニートだからモテないんだぞ、お前ら。

 そんなこんなでやたら長いあらすじになってしまったわけだけど、これで俺が今異世界トリップしているということを理解して頂けただろうか。

「大変だったな、ソラ。俺も大概大変な目に遭うが異世界トリップは経験が無いな」
「俺もまさか経験するとは思わなかったな……しかも誕生日の一週間前に……」
「一週間後に誕生日なのか?俺達はもう済ませたぞ」
「ほー、時間軸は少しずれてるのか…ちなみに今はいくつなんだ?」
「26だ」
「なんと。じゃあ今はカラ松の方が年上じゃないか」
「そうなのか?だがあまり変わらないと思うぞ」
「確かにな」

 ちなみに、俺はこの世界では『ソラ』で通すことにした。だってカラ松が二人もいたら呼ぶときに混乱するだろ。因みに、何故か俺のスマホと一松のスマホは繋がっているらしい。普通にメールと電話が仕えた。それ以外は繋がらなかった。LINEも使えない。多分、俺と一松がスマホの機種もストラップもお揃いだからだと思う。偶然、スマホを買いに行くときにデザインが被ったのだけれど…うん、よかったと思う。
 今、俺はカラ松と一緒に釣り堀に来ていた。今日は良く釣れるなーと思いながら隣を見る。カラ松は例のperfect fashionに身を包んでいた。因みにズボンは普通のスキニーにしていただいた。俺が。頑張ってあのキラキラはご遠慮いただいた。クソタンクトップはわざとコーヒーを零して洗濯機にツッコんだ。俺は何も悪くない。因みに五人からはその鮮やかな手口に拍手を頂いた。
 俺の世界では、まだ日を跨いでいないらしい。俺は此処で三日目を迎えている。初日は取りあえず質問攻めにあった。良い意味で。お陰で一松と付き合ってることも話すことにもなったけど。だって、皆の前で意味深に電話で会話しちゃったからね。流石のおそチョロと末弟コンビは話してないけど。こっちの一松が白目向いて倒れてしまったのが今朝の話しだし。


 
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