それでも君が好きだから


□どうも、一松です
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 どうも、一松です。こんな屑で社会のゴミがメインの小説によく来たね。別に面白くないから今すぐ戻ることをお勧めするよ。まぁ、暇つぶし程度にはなるかもしれないけど……これ、社会の燃えないゴミが見込みも救いようもない恋してる話だけどね。



 いつだって隣にいるから、気づかなかった。少し前を歩いて、僕たち弟をいつも気にかけているアイツ。松野家次男のカラ松兄さん。子供の頃から率先して母さんの手伝いをする家事が得意の次男。喧嘩をすれば長男のおそ松兄さんの次に敵わない。でも、別の意味では兄弟で一番敵に回したらヤバい奴だ。アイツのヤバいエピソードはかなりある。僕が中学の時、クラスの不良数名に連れて行かれて袋叩きにあっていた。その時アイツはモップの先を折った状態のものを手にして持ってきて相手を血祭りに上げたことがあった。それを全力で止めたのはおそ松兄さんだった。このことは僕とおそ松兄さんとトト子ちゃんしか知らない。淡々と無表情で不良たちを滅多打ちにしたアイツの横顔は今でもたまに夢に見る。
 僕は、昔からアイツの後ろに立っていた。立ちたいわけじゃない。アイツがいつも前にいるんだ。でも勉強は数学と英語が致命的にダメだった。赤点ギリギリ。それ以外はいつも満点のくせに。ふり幅のラインが極端すぎる。それが次男だった。英語はダメなくせに、それが歌詞なら普通に読めるし覚えるとか……マジ意味わかんねぇ。
 そう。アイツは歌うことが好きらしい。六子の中で一番歌うし上手い。下手したら女の歌も歌えるんじゃないかってくらい音域がある。歌ったところは見たことないけど。
 ……え?さっきから次男の話しかしてないって?当たり前でしょ。僕にそれ以外の話題って言ったら猫しかなくなるけど。猫を語って言い訳?兄弟全員引くぐらい話すけど、それでも聞きたい?物好きだね……あ、全員じゃないや。次男も、カラ松も猫、好きなんだ。僕が友達の猫を連れてくるといつも後ろからウズウズしながらこっちを見ているし。


「おー、一松。カラ松起きたか?」
「…一応、起きたよ」

 今話しかけてきたのが、長男のおそ松兄さん。六子の一番上でパチンコが趣味の屑。でもおおらかで優しいとこもあるから人には好かれる。さっきも言ったけどキレたカラ松を止められる唯一の男。つまり六子の中で喧嘩したら最強。ただし拳に限るけど。口喧嘩では末弟のトド松と三男のチョロ松兄さんと…あと、次男のカラ松には敵わない。

 
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