それでも君が好きだから


□無自覚自覚
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 自分でも、俺は変態なんだろうなと自覚している。
 理由を上げるなら、まず、同性の兄に惹かれてる。もうこの地点で社会不適合者だ。しかも、別に男に興奮するわけじゃない。兄弟が五人もいて、同じ顔をしているのに俺が惹かれるのも、性的興奮を覚えるのもたった一人だけ。
 次男のカラ松だけなんだ。
 カラ松の魅力は、一言じゃ説明も表現も出来ない。強いて言うなら奇跡だ、神だ。生きる媚薬だ。存在が尊い。其処にいるだけで俺は天国に逝ける気がする。まぁ、まだ逝かないけど。

 最高に可愛くて、最高にかっこいい。それが俺が愛して病まない次兄で、恋人だ。

 あぁ、カラ松……大好きだ。




 今日は、カラ松大好きな俺から見たアイツの一日を紹介しようと思う。




:::::::::::



 朝、起きる時間は皆大概一緒だ。朝食の時間帯か、昼頃。実は俺達は六子だが何でもスペックやステータスが同じなわけではない。特に寝付きと寝起きの優劣が、かなりハッキリしている。五男の十四松が一番寝付きも寝起きも早い。其処から悪い順に並んで寝ているので

 十四松、チョロ松兄さん、おそ松兄さん、トド松、カラ松、俺になる。

 けど、俺とカラ松の寝付きと寝起きの悪さはそんなに大差はない。その日によって俺が早かったりカラ松が早かったりする。ちなみに今日は、俺が早かった。つまり、カラ松が一番起きるのが遅いわけだ。基本は十四松が皆を起こしてくれる。けど、俺とカラ松はそれでも起きない。

「カラ松、まだ起きないのか?」
「十四松のあの大声で起きないんだから、凄いよ、本当」
「ふぁあ……昨日、店締めまでいなきゃいけないって言ってたから帰ってきたの遅かったからしょうがないんじゃない?」
「……なんで知ってるの、トド松」
「LINEがあったんだー。一松兄さんに送ったけど既読してないから僕の方にきたの」

 トド松の返答にスマホを確認すると、確かにLINEが来ていた。グループではなくて、個人LINEに。


【一松ごめんー(´;ω;`)】
【テンチョが急用で先に上がったから、俺が店閉めないといけなくなったー(ノД`)・゜・。】
【寂しいけど、先に寝ててください(>_<)】


「……………………っ////////」

 なにこのLINE。可愛すぎだろぉぉおおおおぉぉぉおおお?!

 俺は未だ熟睡のカラ松に向かって正座して、両手でスマホを持って……拝んだ。

「え…、なにあれ」
「一松がカラ松を拝んでいる…」
「いったいわー…」
「サイコパース!!」

 外野が煩いが、取りあえず俺はまだ拝みつづけた。寂しいけど寝ててって……!!くっそ、起きとけばよかった!!今日の為に早寝したけど、起きとけばよかった!!


 
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