ごった煮


□誕生日だからって以下略! 3
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 前回のあらすじですが、俺を迎えに来ると言った一松が現れました。そしてですね、こっちの世界の材木松には目もくれずに俺を抱き締めてきまして……

「…あの、一松?」
「………」
「いちまぁ〜つ?」
「………」
「一松さーん?」
「………」

 反応がありません。強いて言うなら名前を呼ぶたびに俺を抱き締めている腕の力が入っていくということかな。
 どうしようか悩んでいると少しだけ、腕の力が緩められた。そのことに安堵して、顔を上げると両頬に手を添えられた。そしてあっという間に口を塞がれた。後ろの材木松の息を呑む声がハッキリと聞こえた。一松は何度も何度も啄むように口付けて角度を変えてきた。そしてゆっくりと唇を離して、俺の額と自分の額を合わせて深い息を吐いた。

「…マジで、やめて」
「いち、まつ…」
「俺の前から、いなくなるとか…もう二度としないで」
「――…ごめん」
「目の前で消えたって言われた時の俺の気持ち、判る?ねぇ、判ってる?頭が真っ白になって目の前が真っ暗になった俺の気持ち、判ってるの?どれだけお前で俺の世界が構築されてるか考えたことある?ねぇ…」

 薄く開けられた一松の目には涙が滲んでいた。俺がもう一度謝罪の言葉を口にすると一松はぎゅっと俺を抱き締めてから解放してくれた。そしてやっと後ろの存在に対して声をかけた。

「……こっちの世界のお前と、トッティ?」
「…あー、うん。そう。だから俺、ここではソラって呼ばせてる」
「…ふーん。カラ松が二人もいたらややこしいか」
「そういうこと。まぁ、一松が来たから、これで一松もふたr「おそ松兄さんも来てるよ」

 ………なんだって?

「今、こっちの世界のデカパン博士に話してるとこ。説明が終わったら此処にくるからカラ松は何処にも行かないでね。まぁ、俺が何処にも行かせないけど」
「いや、そんなことより……おそ松も来てるのか?!」
「うん。デカパン博士がその方が良いって言って」

 どういうことだろうか。俺が此処にいて、おそ松まで来たらチョロ松という最強な霊媒体質を誰が抑えるっていうんだ。そもそも、何故に来たおそ松。やっぱりあれかな、責任、感じてるのか……?
 一松の情報に少し考えていると、トド松が恐る恐る声をかけてきた。ごめん、すっかり忘れてた。

「えっと……ソラ兄さん。説明してくれると嬉しいなぁ……?」
「あ、ごめん」
「ううん、話の流れを見るに、ソラ兄さんの世界の一松兄さんでしょう?」

 
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